第9話「父と再会」Q編

 彩子は駅前に出来たカフェに来ていた。

 美味しいパンケーキを頬ばりながら友人たちと喋っていると、急に啓子が固まった。

「お、お父さんがいる……」

 啓子が凝視する方へと視線を向ける。

そこには、小さな女の子を膝に乗せて微笑む男性の姿があった。

「啓子のお父さんって……家庭内暴力が酷くて離婚したんだよね?」

 奈美恵の言葉に啓子は頷く。

 当時、幼かった啓子に対しても容赦がなく、骨折や火傷の痕は今でも残っているという。

「再婚したのね……」

悲しげにポツリと漏らした啓子が、パンケーキ用のナイフを手にとった。

そして、いきなり父親に向かって走り出すと、勢いよくナイフを振り下ろす。

 店内に劈くような悲鳴が響く。

「やめてくれえええええっ」

 父親が泣きながら、啓子を止めるがもう遅い。

彼の膝の上では滅多刺しにされた少女が息絶えていた。



 さて、啓子は何故、少女を滅多刺しにして殺してしまったのでしょうか?

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る