第8話「よく吠える犬」A編
「確かに、あの犬。本当に五月蠅かったから、彼の気持ちも分からないではないけど……」
「歯を剥き出しにして吠え掛かってくるから、怖かったしね」
「しかも、あの子。受験勉強に集中できなかったっていうじゃない」
「そりゃあ、犬の口に恨みがあるのも仕方ないと思うわ……」
近所の人たちは、犬よりも彼に同情的だった。けれど、彼が犬の口をぐしゃぐしゃにした理由は皆が語る理由とは違っていた。
何故なら、捕まった高校生は、「殺しても殺しても、あいつ。ワンワン五月蠅いんだ……」と呟き続けていたのだから。
一般脳:毎日五月蠅く吠えるので、ストレスが溜まっていた。口が嫌い。口から発せられる声が嫌い。歯を剥き出しにされた恐怖心から無我夢中で殴った。等
ホラー脳:死んでいるのにも関わらず、「うるさく」感じたから。
(ホラー脳は、ストレスや不満の原因を排除したり、欲求を解消しても、全然満たされない。もしくは、不満が尽きない)
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