第10話「父と再会」A編
啓子は現行犯逮捕された。犯行理由は頑なに口を閉ざしているため分からないという。
「啓子……きっと愛されたかったんだろうな」
「片や暴力を奮われ、片や大事にされているなんて、同じ娘なのに不公平すぎるもん」
「父親の愛情に飢えていたからこそ、父親に愛されている異母妹が許せなかったのかもね」
友人たちが口々に啓子を擁護する中、彩子は淡々とした口調で自分の意見を言った。
「そう? 啓子からは怒りとか憎しみみたいなものは感じなかったけど……」
「じゃあ、なんでいきなりあんな小さな子を襲ったのよ」
「あの子が啓子と同じように暴力を奮われて、痛くて怖い思いをしないようにじゃないかな。多分、啓子はあの父親から異母妹を守りたかったんだよ」
友人たちは、「そういう見方もあるのか……」と妙に納得し、頷いた。
一般脳:父親に愛されている妹が許せなかった。暴力を奮われていたとはいえ、啓子にとってはたった一人の父親を奪われたと思ったから。
ホラー脳:父親からの暴力から守るため。幸せな思い出だけを残してあげたかったから。
(ホラー脳は倫理観に欠けた思考をする。また、他者の気持ちが推測できない為、「暴力を受けるくらいなら死んだ方がまし」という自分の考えをそのまま他人にも押し付ける)
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