第10話 書庫
「今日のところはこのくらいにしておきましょう」
「もう終わりですか!?」
「もっと練習したいです」
「あまり練習し過ぎても身体に毒です。また明日練習しましょう」
『は~い!』
この2人はほんとに仲良しだ。声が揃ってるし。
「ああ。それと……… エミリー。明日も来てくださいね?」
僕は微笑みかけながら言う。
「わ、わかってます……」
エミリーは頬を赤らめながら、でも楽しみそうに答えてくれた。
「ふふ。ではさよなら」
『さよなら~!』
◾️◆◇
「エイブさん。この屋敷に車庫はありますか?」
「え?ええ。一応ありますが……… あんなところで何をするのです?」
「少々気になることがあるのでね」
「そ、そうですか……… 本当はだんな様の許可がいるのですが。私が許可しましょう」
「ありがとうございます」
早速書庫に行ってみるか。
◾️◆◇
書庫は本だらけで、興味をそそる物がたくさんある。
「う〜ん……… 『魔法の根本理解』か…… 読みたい衝動にかられるなぁ」
今は我慢だ。こんなことをしに来たわけではない。
「え〜っと……… おっ!あったあった!『チャールズ家の歴史』!」
あの後少し考えた。エミリーの魔法には妙に違和感がある。あれだけ呪文と環境がしっかりしていて魔法が発動しないのは何かおかしい。別段、エミリーの身体に呪いがかかってるわけでもない。
とすると……… 先祖に何かあるはず。ちょうどエミリーの代で何かが起こったのかもしれない。チャールズ家は何かと奥が深いからなぁ。
「え〜……… 先祖が呪いにかかった経歴はなし。何かおかしなことは………」
ん? 『チャールズ家と黒魔術』?
「黒魔術? あまり聞いたことのない………」
その時、嫌な気配が屋敷全体を包んだ。
「こ、これはまさか………」
考える暇もなく、屋敷の中は闇に覆われていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます