第8話 ひどいにおいがシマスね!


「それで……、人食い鬼征伐に使えるという、赤い宝石バネーラとは……」

 猛者ふたりが、いっしょに袋に手を伸ばした。ロークスは、さっと身をかわした。

「みんなで平等に、分け合いましょう」

 ロークスは、提案してみた。

 袋が開封され、地面に中身が広がった。

「これはなんだ?」

 マハメソッドは、声をひしゃげさせる。細長い、赤い物体である。

「うーん、植物?」

 イエシンは、鼻を近づけた。とたん、目からポロポロ涙をこぼした。

「これ、毒デスね! ダースァン(にんにく)よりひどいにおいがシマスね!」

「宝石、奪ってくるんじゃなかったのか? 役に立たないな!」

 マハメソッドは、さんざんな言い方である。ロークスは、しょげた。

「毒なら、人食い鬼征伐に使えるかもしれん!」

  クラレンスは、その植物を取り上げた。


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