第2話原因



「なぜこんなことになったのだろうか」


と言うのが春の会議での一番の議題だった。木々は少しでも大きくなろうと、草は少しでも広く生えようとはしていたが、その土地すべてを覆いつくすようなことはしなかった。

 しかしである。このところの季節の巡りで、長い間守られてきたような取り決めが一気に破壊され、「自分一人が生き残るのだ」というような事を植物たちは口々に言うようになった。

もちろん鳥を含め多くの動物、昆虫も

「それはおかしい、どうしたのだ」と尋ねても、口をつぐみ、殺し合いのみに集中したような雰囲気だった。


しかし鳥たちが前の会議で気が付いたことがあった。

それは彼らがこのような残酷な事を始めたのが、自分達翼をもつものが、空高く、雨を降らせる雲よりも高く飛んで、一気に遠い土地まで行くようになった頃だったのだ。

「寂しくなるなあ」と馴染みの木々も草も言っていたが、それが次第に

「いいなあ、自由に動くことができて」に変わり、最近では


「気の合わぬものと一生隣同士で過ごすのだ! 面白くはない! 」


まるで判を押したようにそう言い、自分のみが生き残ることこそが最上の結果でしかないという風になったのだ。


それがこの世界の色々な所で起こり、そして、翼をもつゆえに、その植物たちの考えが行きつく先、末路のような一つの島を、多くの鳥たちは見ていたのだった。




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