第4話〜少年の夢の中〜
真っ暗な中、独り、膝を抱いている。
あれからどのくらいの時間が経ったのだろうか。
あれだけ騒がしかった外は、今はもう既に静まり返っている。
今はただ、帰ってくるのを待つばかり…
ーーー必ず、戻るから
その「言葉」の意味は分からないが、その「言葉」はとても力強く、とても頼もしい感じがした。
だから泣かなかった。
泣かずにいつまでも待ち続けられた。
絶対に帰ってくる。
絶対に約束を守ってくれる。
絶対に僕を………
暗闇の中に一筋の光が射したーーー
ほら…やっぱり帰ってきた。
ああ…
だからか。
こわいはずのあの夢が、あんなにも温かかったのは。
既に外は眩しいほどに明るくなっていた。
僕はゆっくりと小屋から足を踏み出し、眩しい光に手をかざしながら「この人」を見上げると。
「この人」の顔にやっと光が射した。
ああ、
やっぱりそうだ。
この人だったんだ。
だから、信じることが出来たんだ。
僕にとって大切な人で、
僕の事を大切に想っているこの人は………
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