第100話
「黒炎くんの名前……私、好きだよ」
「い、いきなり褒められると困るんだが」
そう言いながらも黒炎くんも頬をかきながら照れている。
「このネックレス、大切にするね」
「俺がつけてやるよ」
「え!?」
自分でつけようと思っていたら、ネックレスを奪われてしまった。うぅ、他人にネックレスつけてもらう機会なんてなかったから緊張する。しかも、それが恋人だったら尚更。
「ちなみにネックレスは束縛が強い男が渡すらしい。でも、朱里は俺一筋だってわかってるからそんなことはしない」
「す、少しくらいなら束縛してもいいよ?」
私ってばクリスマスでテンション上がってる? それとも綺麗な夜景を見て、いい雰囲気になったから、素直になってしまったとか。どのみち今の発言は今までの中でもかなり恥ずかしいセリフに入るので、穴があれば今すぐにでも入りたい。
「束縛、か。だったら、こういうのはどうだ?」
「……?」
顎に手を置いて考えるポーズをしたと思いきや、次の瞬間……
「何があっても朱里のことを必ず守る。だから、絶対に離れていくな」
力強く抱きしめられ、おでこに軽いキスを落とされた。
「な、なっ……!」
アワアワと口を押さえる私。しかも、抱きしめると同時に瞬時にネックレスをつけてくれた。なんと行動力が早いというか。一度に色んなことが起こりすぎて、頭がパニック状態を起こしてしまっていた。
一ヶ月ぶりに会った黒炎くんは超絶イケメンになっていたのでした。
こうして、嬉しさと恥ずかしさが板挟みしたクリスマスは幕を閉じたのだった。
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