ある殺人鬼の懺悔

 ああ神様、罪深い僕をどうかお赦しください。

 僕は、とんでもない罪を犯してしまいました。

 ほんの弾みで、昔の雇い主たちを殺してしまったんです。悪気はなかった。本当に、悪い偶然が重なっただけなんです。

 でも、殺されたあいつらにも原因があるんです。僕がこんな風になってしまったのも、元はと言えば、僕の心臓に〈銀の弾丸〉を埋めたあいつらが悪いんだ。


 ずっと辛かった。

 僕は本当は暴力なんてしたくないのに、あいつらに脅されて、何人もの人たちを酷い目に遭わせてきた。

 でも信じてください。僕はあの人たちを死なせてなんかいないんです。

 みんなちゃんと生きてて、今は遠くの病院で入院しているだけなんですよ。

 だって、雇い主たちがそう言ってたんだ。なら安心ですよね。


 何の話をしてましたっけ。

 ああそうだ、僕がなんで雇い主たちを殺してしまったのか、って話だった。

 あいつらは、僕の両親と恋人が死んだって嘘をついてきたんです。たとえ冗談だとしても、そんなの許せるはずがないですよね。


 確かに僕はほんの弾みで両親と恋人をバラバラにしてしまったけど、いつか目を覚ましてくれるように、首だけは冷蔵庫に入れて保存してるんだ。

 それなのにあいつらは三人が死んだって勝手に決めつけて、契約を解除しようとしてきたんです。「こんなイカレ野郎はもう俺たちの手には負えない」とか、そんなことを言っていた気がします。


 ふざけてますよね。本当にふざけてる。僕はまともな人間なんだ。


 酷い目に遭わせてきた人たちのことを想って毎晩泣いてるし、両親と恋人が早く生き返ってくれるように冷蔵庫に向かって祈りも捧げてる。それに雇い主たちのことも、本当はとても憎いのに、三人と同じように首を冷蔵庫に入れてやることに決めたんだ。


 でも、僕の狭い部屋には冷蔵庫を置くスペースはもうあんまりないんです。

 一台に三人分の首しか入らないし、かといって無理矢理詰め込むのもかわいそうだし。雇い主たち全員を保存しようと思ったら、あと五台は新しく買わなきゃいけない。


 うん。でも僕は神様の言う通りに仕事を頑張って、いっぱいお金を貯めて、冷蔵庫をたくさん買ってやることにします。

 そしていつかみんなが目を覚ましたら、心を込めて謝ることにします。もう二度と悪いことはしませんって。


 それで神様、僕に紹介してくれるって言ってたのはどんな仕事なんですか?

 ……わかりました、神様。

 じゃあ詳細はメッセージで確認しますね。

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