第2話異世界に来たらまずはお金を両替しないと
目が覚めるとまたベッドの上だった。前回と違うのは服を着ているのとベッドが硬くて背中が痛いということか。
電気でなく天井にふわふわ明るい光が浮いている。これが魔法というやつらしい。家を買ったら魔法の使用料の支払いとかあるのかな。
天井の出っ張りの所にいるのが配信カメラ兼使い魔らしい。外見はハムスターで空を飛べるように羽が生えいる。目が赤い時は撮影中らしい。羽の色がスパチャの量を表していて白から色が黒くなっていき両羽が真っ黒になったらアイテムをくれるらしい。配信の閲覧者達から投げアイテムもシステムとして用意されていて、届いたらハムスターが渡してくれるそうな。
どうしようもなくなって人生詰んだらこのハムスターを通してゴリラと連絡が取れるそうだ。
代償を支払うことで助けてくれるらしい。ビジネスパートナーとでも思ってくれとのことだ。
大学の研究活動から解放されたので気楽に異世界ライフを満喫しましょうか!元カノ(別れてないけど)には申し訳ないので頑張って会いに行きますとだけ意気込んでおく。
さてベッドから降りて部屋を出よう。お金はゴリラから金貨5枚を餞別として貰っているのでまずは町に両替に行こう。
木製で出来たらドアを出て一階に降りるとおじいさんがフロントにいた。
「おじいさん、宿泊費はいくら?」
「こんにちは。ずいぶん遅いお目覚めだね。一泊で銀貨3枚だよ、昨日の宿泊費は強面の男が寝ているお前さんを寝かせたあとに払ってくれてある。もう一泊するかい?」
話を聞くにゴリラもこっちの世界に来れるようだ。宿泊費も出してくれるとか親切なやつだ。さすがビジネスパートナーだ。
「今金貨しかないから返事はあとでもいい?ここを出たら両替してくれる場所はないかな?」
「泊まるならまたきておくれ。ここを出て右に行って川を渡った先に商店街があってドレイク銀行って看板の店で両替出来る」
商店街に、銀行って前世と変わりがなくていいな。日本語が通じるのもありがたい。
「ありがとう。おじいさん」
外に出てると町の雰囲気は中華に似ていた。高層ビルや石で出来た都ではなく木材で作られている平屋が続いていた。靴は貰っていなかったが土ではないので素足で問題なかった。
おじいさんに言われた通りにあるいて行くとストロング通りと書かれた商店街が見えてきた。人通りも多くなってきた。
今のところ人間以外の人種もいないようでビックリするような事はなかった。服もみんなお洒落で髪の毛もカラフルで異世界に来たって感じがする。
時間帯が夕方らしく商店は閉まっていて飲み屋さんが開いているようだ。
ストロング通りに入ってしばらく歩くとおじいさんが言っていたドレイク銀行が見えた。
「こんばんは。お嬢さん。今日はどのようなご用件で?」
店の中には両替の器械以外に武器や雑貨らしい商品もあり専門の銀行ではないようだ。
「金貨の両替をお願いします」
「金貨ですね。今は深夜料金となっておりまして手数料が割高となっています。金貨ですと銀貨97枚、銅貨960枚のお渡しになります」
「通貨的には金貨1枚で銀貨100枚、銅貨1000枚なのね。銀行ならお金を預けたら手数料無料とかないの?」
「銀行は全世界共通の支店がございまして。顧客の方の手数料は必要ありません。顧客になるためには金貨1枚の手数料が必要です。」
口座作るのに手数料めちゃくちゃ高いな。手数料で1ヶ月宿に宿泊できるじゃん。金貨持ち歩いて旅するのも危ないから作るのがベストかな。
「口座作るから深夜手数料は無料にしてね!」
彼女の体を借りた必殺技の笑顔を決めた。あれをされると僕の口もニヤニヤしちゃうほど嬉しくなってたものだ。
「承知致しました。では登録しますのでこちらの鏡をご覧下さい」
これが魔法のアイテムか。顔認証で銀行が使えるとは便利な世界だ。
「手数料の金貨1枚ありがとうございます。三枚はお預けで、通常の手数料を引いた銀貨98枚です。どうぞお受けとり下さい」
「ありがとう。みたところ雑貨屋さんでもあるみたいだけど、世界地図ある?」
「地図は仕入れてませんね。今日はもう閉まってますが明日になれば商店街が中で買えると思いますよ」
ドレイク銀行を出た。銀貨98枚はポケットには入らないので銀貨2枚で可愛らしいピンク色のポーチをお財布として、履きやすそうな革靴ぽいのも買った。
異世界ってどんなお酒があるのか興味があったビールは苦手だったけどウイスキーは大好きだから似たようなお酒があればいいなと揚々と飲み屋さん探しに出掛けた。
使い魔のハムスター君によれば笑顔で少し投げ銭があったらしい。
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