第5話 お悩み相談部(仮)
「で、ここに志保の名前を書いて提出だ」
「分かりました」
部活動承認の書類を生徒会に提出しなければいけないのだが、現在その紙を製作中だ
「これでついに僕達の部活が出来るんだね」
「まあ、生徒会からの却下されない限りは
大丈夫なはずだ」
「そこ考えるとちょっと心配だよね」
秋が描き終わったプリントを持ち上げ
活動内容の欄を読み上げる
「困っている人を助ける、だもん」
「前例がなかなかないだけにな」
こんな部活あまり聞いた事がない
「でもなんとかなるよきっと」
志穂が笑顔でみんなに笑いかける
裏の性格知らなかったら今頃惚れてたのにな
そんな事を思う
「そうだな、だめでもきっとなんとかする!
田中が」
「なんで僕なんだよ!」
「いや、田中て頼りになるし…?」
「なんで疑問形なんだよ!」
「頼りにしてるよ田中君」
「はい、喜んで!この身に変えても部活を作って見せましょう!」
ちょろいな田中
「じゃあ早速出しにいきましょう」
「そうだね、行こう!」
みんなで生徒会室へと向かった
生徒会室の前まで来る
ドアから声などが聞こえて来て、中にいるのを確認すると志穂がドアをノックする
「は〜い、どうぞ」
「失礼します」
みんなで中に入る
生徒会室はそれなりに広くて綺麗だ
周りの戸棚などには資料などが積み重ねられており、真ん中の方には長机と椅子が置かれていた
美人でかっこよくてなんでも出来ると噂の
我が学校で男女共々からすごく人気の
生徒会長と、全身からゆるふわな雰囲気が漂っていて、まるで妖精のようだと崇められる
書紀の人が居た
「えっと、私たち部活動の承認を貰いに来ました」
「ああ、そうか」
そう言うと歩いて志保の前に来てプリントを
受け取る
「確認させてもらうよ?」
「はい」
近くで見ると余計にも綺麗に整った顔立ちと
体型に目が向かう
顔のラインがシャープで、細身でしっかりとしている体型が余計にも際立たせる
いつまでも見ていられそうだ
フィギュアが出た際は絶対に買うことを約束しよう
「うん、確認した、数日以内に生徒会を通して、あなたのクラスの先生から割り当てた部室が教えられると思う」
「ありがとうございます」
どうやら無事に許可がもらえたようだ
「そこで、早速なんだが私達生徒会から
お願いがるんだが、頼まれてくれないか?」
「ええ、分かりました、みんなもいいよね?」
志穂がみんなを見渡すとそれぞれオッケーサインを出す
「助かるよ、そろそろ授業で使うプールの掃除をしようと考えているんだが、毎年生徒会
と先生方だけでは時間がかかってな」
「そこで私達も手伝えばいいんですか?」
「そうだ、お願いできるか?」
「はい!お受けします」
「助かるよ、最近不審者の報告があってな
生徒会から何人か見回りに出してるから
なかなか仕事が進まないんだ」
ため息をつき机に乗っかっている分厚いプリントの山に目を向ける
「あ、なら俺たちもそれ手伝いましょうか?」
「いやしかし、君たちに何かあってもな」
「大丈夫ですよ、どうせ活動らしい活動なんてしばらくないですし、居たとしても生徒会か、警察の方に電話しますし」
しばらく顎に手を当て考える
「そうか、じゃあお願いする、無茶はしないようにな」
「はい、分かりました」
「しかし、何から何まですまないな」
「それが私達の活動ですから」
「そうか、何かあったら言ってくれ、出来る限り力になろう」
「ありがとうございます」
「失礼しました」
志穂から順に同じように生徒会室から出ていく
「はあ〜緊張した!」
志穂がぐうっと背伸びをする
「でもこれで部活完成だね!」
「そうだな」
「あ、そうだった優、めんどくさがりな君
がなんでわざわざ仕事増やしたの?」
「それはだなぁ」
ニヤリと笑い手を広げる
「貸を作っておけば後々楽だし、もしかして
会長とお近づきになれるかもしれないからなぁ!」
「うわ〜、下心丸出し」
女性陣からは冷たい目線が向けられる
「さすがにこれは男の僕も引くよ」
「いやいや、冗談ですよ!?ほらほら、照れ隠しみたいな!」
「ほんと〜?」
秋が腰をかがめ覗き込んでくる
下心なんてないよ、3割くらいしか!
男ならそんなもんだよね?
優ウソツカナイ
「ほんとだ、ほんと」
そんな事を言いながら帰る、帰り道
事件はいつも突然に起こる
「なあ、あいつ不審者じゃないか?」
田中が指を刺す
「まさか、そんないきなり出会うわけ」
僕達は絶句した
確かにそこにははぁはぁ言いながら
電柱に隠れながらキョロキョロしながら周りを見渡す、怪しい影があった
するとこっちに目を向け、マズいと思ったのもつかの間走って追いかけてくる
「みんな逃げろおおおおおおおお!」
みんなで一目散に駆け出す
「セレ……、…て!」
「しかも何か言ってるし!」
「田中、聞いてこい!」
「バカ言うな!自分で聞いて来てよ!」
「やだよ!」
そんなこんな会話しながらもどんどん影が
近づいてくる
「セレス!…待って!」
そう耳にしっかり聞こえる、なら答えは絞られて来る
俺とセレスは顔を見合わせると走るのをやめた
「ちょ、二人とも!?」
志穂が慌てて振り返る
「大丈夫だよ二人とも」
セルスが落ち着いた口調で言う
セルスと呼べる人物は限られて来るのだから
その瞬間、追いかけて来た不審者は
セレスに思いっきり飛び込む
「うわ〜ん!心配したよー!」
強く抱きしめセレスが少し辛そうだが、優しい顔をして頭を撫でる
「はいはい、心配してくれてありがとね」
少し先にいる田中と秋は何が何やらと言った感じだ
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