魔法④
マリンが涼しい顔をしてシンの方に歩いてきた。
魔法を使えないことをどうやって誤魔化そうかとシンが悩んでいると。
「何? アンタ私が魔法を使えって言うと思ってんの? 一般人にそれを求めるほど私は落ちぶれてないわ」
マリンが腰に手を当ててシンの顔を覗き込む。
それはマリンの無い胸を強調するようなポーズでもあり、それが一瞬だけシンの頭をよぎってしまった。
「アンタ今何考えてた? 答えによっては焼き尽くしても氷漬けにでもなんにでもするけど?」
「ちょっとマリンさん。今はそんなことを言っている場合じゃないですよ」
それに一気に感情を持っていかれたマリンをカナリアが静止しようとする。
「そんなこと? カナリアにとってはそんなことかもしれないけど、私にとっては大事なことなの! こんなクズと一緒に冒険だなんてゴメンだわ」
カナリアの言動でマリンは更にヒートアップしてしまう。
「すみません。マリンさん」
シンはすぐに謝った。
カナリアを巻き込むのは違うし、これに関しては自分が悪い。
なんとかしてマリンの気を静めて、魔法についての講義をしてもらわなくてはならない。
「まあ、今回はアンタの誠意とカナリアのその胸に免じて許してやるわ」
マリンがそっぽを向いたまま言った。
「さっさと始めるわよ」
マリンが指を鳴らすと、三人はマリンが作り出した小さな教室の中にいた。
シンは一変した環境に驚きと戸惑いを隠せなかった。
「まず、魔力からね」
マリンいわく、魔力というものは人間が体内に持つエネルギーの一つらしい。
それを、経脈と呼ばれる管伝いに全身あるいは体の一部に巡らせ、外に干渉して現象を起こすことを魔法と言うらしかった。
「魔力は全ての人間が持っているわ。これに例外はない」
初めて魔法に触れたシンだったが、マリンの説明はとてもわかりやすいものだった。
魔力は丹田と呼ばれる下腹部にあるところにあり、そこから全身に広がっているらしい。
「じゃ、アンタの体少し触るわよ」
そう言って、マリンがシンの下腹部に手を当てると、シンの全身に激痛が走った。
「ゔゔ!」
シンはそのまま意識を失った。
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少し短めになってしまいました。
土日なのにかなり忙しい…何故?
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