魔法①
シンの言葉の後に訪れた幾ばくかの沈黙の後、マリンがゆっくりと口を開いた。
「突然何を言い出すかと思えば、そんなことを言うのね。そのくせ、さっきは私相手に見栄を張ったわけだ。本当に馬鹿なのね」
マリンのごく当たり前の主張に、シンは何も言えなくなる。
「どっちにしたって、マリンは僕を貶めたはずだ。そうだろ? マリンは僕を否定したがってたじゃないか。だったら見栄を張ったほうがいいじゃないか」
シンは未だに感情的なままマリンに話してしまった。
「まあ、教えてやらんこともないわ。人にものを聞く態度も弁えてるみたいだし、今回は見逃してやるわ。次逆らったら容赦しないから」
マリンが上下関係を強調して言う。
一旦の収束にカナリアがホッとした表情を浮かべる。
シンとしてはまだイマイチ状況がつかめないが、自体が収束しようとしていることはわかった。
「今日の夕方、訓練場に来て。遅れてきたら、二度とチャンスは無いものと思いなさい」
相変わらず愛想悪そうにドアへと体を向けたマリンが、慌て気味の使用人と共に部屋から出ていく。
シンは自分が大量に汗をかいていることにたった今気付いた。
マリンが放った気迫は、侯爵をも上回るシンがかつて浴びたことがないほどに強烈なものだった。
これから昼になるといったところだが、シンは食事が喉を通る気がしなかった。
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作者の都合により、本話はここまでになります。
すみません
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