第16話 大きな・・・


「あれは絶対あたしじゃないから! 全然違う別人だから!」


 顔を真っ赤にしながら弁明する瞬だが、そんな瞬にはみんなが優しい目で見つめている。


「わかってるって(ニコニコ)」

「あくまでも他人なんだな(ニコニコ)」

「瞬では無かった(ニコニコ)」

「それでいいよ(ニコニコ)」


 今までが嘘のように優しい笑顔で全肯定する4人。


パァン!パァン!パァン!・・・・


 その後ろで素振りしてるぐらいの勢いで尻を叩きまくる黒子たちだが、4人は一切気にせずに微笑み続ける。


「絶対信じてないでしょ!(怒)」

「「「「絶対信じてるよ(嘘)」」」」


 優しい笑顔で同意する全員。 

 だが、英吾はぽつりと言った。


「痛い痛いとか言ってたのも別人だし」


ぴきっ


 瞬の顔にひびが入る。

 その言葉で立て続けにポロポロと余計なこと言い出し始める男衆。


「入らないから止めてと言ったのも別人」

「やっと一つになれたとか嬉しそうに言ってたのも別人で」

「これからずっと一緒だよとか言ってたのも別人だ」

「よし、お前らそこに尻出して並べ!」


 棒を手に英吾達を追いかけまわす瞬。


パンパンパンパン……


 順次尻を叩かれていく4人。

 だが、何故か全員誇らしげだ。

 全然ダメージを受けない4人に苛立たし気にぼやく瞬。


「この……はぁはぁ……」

「落ち着きなって瞬。あんなのは全然違う人なんだから……」

「全然落ち着けないわよ!」


 そう言って傍に来てくれた刀和を殴る瞬。

 そんな瞬に英吾が優しく言った。


「これからずっと一緒だよとか言った仲なんだからもう少し優しくしてやれよ」

「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」


 再び英吾のみ追い掛け回して小突きまわす瞬。

 瞬が落ち着くまではかなりの時間が必要となった。


そして数十分後


「落ち着いた?」

「少し……」


 怒り過ぎてふらふらになった瞬を介抱する刀和。

 英吾達も流石にやり過ぎたと思って素に戻る。


「本人の是非はともかくとして、あの世界は何だったんだろうな?……」


 英吾は不思議そうに先ほどの世界を思い出す。

 色々と情報量が多すぎて整理が難しい世界だった。

 嘉麻も少しだけ嬉しそうにぼやく。


「あんな世界があるなら行ってみたいもんだな」


 強面の顔を嬉しそうに壊す嘉麻。

 瞬も冷静になって来て、少しだけぼやく。


「よく考えればあんな世界なんてあるわけないから、あたしたちはありえないのよね……うん。それでいいや」


 ようやく納得する瞬。

 少しだけ自嘲気味に笑う。


「そうよねぇ! 私もあんなに胸大きく無いし! 刀和もあんなに太ってる訳ないし! アソコがあんなに大きいわけが無いし!」


 そう言って笑う瞬。

 だが、4人はキョトンとした。


「「「「あそこだけは間違いなく刀和だったぞ?」」」」

「…………へっ?」


 4人が真顔で答えたので瞬の顔が凍り付く。


「あのデカいのは間違いなく刀和だ」

「あのズボンを突き破るほどのイチモツは刀和しか居ない」

「肩に担げるほどのイチモツなんて刀和だけだ」

「夢〇湯でみんなが二度見するほどのイチモツが刀和だ。むしろあれが刀和の本体だから」

「そんな言い方はないだろ! 変な注釈付けるなよ!」


 流石の刀和も大声で抗議する。

 一方、瞬は顔面が蒼白になる。


「あの…………あれって入るの?」


 おもわず呟く瞬の言葉を聞き逃すこいつらでは無かった。

 全員がにやりと笑って尋ねる。


「「「「やっぱり入れる前提?」」」」

「しねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 雄たけびを上げながら全力で殺しにかかり始めた瞬から逃げまどう全員だった。



詳細説明


 夢の〇

 石川県金沢市にあるスーパー銭湯。

 バイパスレジャーランドの隣にあるスーパー銭湯で作者が毎週通う銭湯。

 石川県民はテルメ派と夢の湯派に分かれるが、作者は夢の湯派だ!


 機会があれば行ってみよう!


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