第15話 平安時代?


 都の様子はと言えば一言で言えば『城塞都市』だろう。

 幾重にも連なる曲輪と土塀。


「何か平安京見たいだな」

「平安時代っぽい異世界だな。竜宮とかそんな感じなのか?」


 圭人とチーボが色々とぼやく。

 その内側に人の建物が乱立しているのだが……

 刀和が不思議そうな顔になる。


「何か髪の生えたウルト〇マンみたいな巨人が歩いてる?」

「本当だ……っておい、普通の人間は泳いでんのか?」


 それは不思議な光景で、ウル〇ラマンのような巨人が何人も集落の大通りを歩いており、その間を縫うように人が泳いで往来している。


「幻想的な光景だな……」


 英吾が不思議な映像に嬉しそうだ。


「何かここで色々泳いで回りたくない?」

「僕もそう思った」


 瞬の言葉に刀和が微笑みながら答える。

 確かに非常に幻想的な光景にワクワクさせられるものがあった。


 そしてカメラはさらにアップしていき、一つの建物へとクローズアップしていく。


 それは一言で言えば寝殿造りの家だろう。

 大きな屋敷で庭には先ほどの巨人たちが思い思いに寛いでいる。

 チーボが唸る。


「あの巨人は人間と共生してるって感じだな」

「してるみたいだが……何で裏切らないんだろうな?」

「……よくそういったことが思い浮かぶな?」


 圭人の言葉に渋面になるチーボ。


「だって、巨人からすると非力な人間なんて家畜みたいに扱おうとしてもおかしくないぞ?」

「そりゃそうだが……」


 チーボと圭人が少しだけ議論しているが、それをよそに画面は建物の中へとクローズアップされていき……

 それを見て全員が訝しむ。


「あれ……瞬が居る?」


 英吾が不思議そうな顔をしている。


 中に居たのは二人の男女でどちらも平安風の服を着ている。

 瞬によく似た女の子は白拍子のような服を着ているのだが、服は色んな色に染められており、白拍子と書いたが白くはない。

 だが、瞬は不満そうに唸り声を上げる。


「う~……でもこれはあたしじゃないと思う」

「……だろうな」

「あたしの胸見ながら言わないでよ!」


 英吾の頭をぽかりと叩く瞬。


 

 それを見て


「でもこれから成長して大きくなる可能性もあるから、ひょっとすると私かも?」

「「「無い無い」」」」

「はい3人アウトー。お尻出して」

「ちょっ待て! 何でお前が罰を与えようとする!」


 その辺に置いてあった棒を持って英吾、圭人、チーボの4人と睨み合いをする瞬。

 すると画面を見ていた嘉麻がぼやく。


「この男の方は刀和に似てないか?」

「うーん……」


 刀和も不思議そうに首をひねる。

 男の方はと言えば平安時代の狩衣を着ており、穏やかな目をして目の前の女の子を見ている。

 刀和が不思議そうにぼやく。


「似てると言えば似てるかな?…………」


 画面の刀和はかなり太っていた。

 からすると、とても同じには見えない。


「僕もこれぐらい太ってたらなぁ……痩せてるのはいやだなぁ……」

「まあ、確かにもうちょっと肉を付けた方が良いが、これはあんまりだぞ?」


 背が低く、やせている刀和からすると太っているのが羨ましいのだが、それにしても太り過ぎである。


パンパンパン!


 三人が瞬に尻を叩かれて、痛そうに尻をさする。

 瞬も刀和の方へと戻ってくるのだが……


「このビデオは一体何だろ? 何が言いたいのかな?」

「さあ? 結局何がやりたかったのかな?」


 瞬と刀和が不思議そうにぼやいたその時だった。


『いい? 行くよ?』

『うん……来て……』


 そう言って


ぴきっ


 刀和と瞬の二人が凍り付いた。


 女の子の方が服を脱ぎ始めると……


ポロン


 大きなメロンが二つ、服の下から飛び出してくる。

 相当大きな胸で形も良い。


「ちょっ! 止めて!」


 慌てて画面の女の子の胸を隠そうとする瞬。

 ところがその手を当てている場所が今度は男の子の方へとクローズアップされ……


デロン


 大きなイチモツが出てくる。


ちゃーちゃら♪ ちゃーちゃら♪ ちゃららら♪(ガンバスター発進のテーマ)


 何故か流れるガンバ〇ター発進のテーマ。

 必然的にそのイチモツをがっつり掴んでいるような体勢になる瞬。


「ぎゃぁぁぁぁぁ!!!!」


 慌てて手を離す瞬だが、その瞬間女の子の胸に画面が変わる。


「いやぁぁぁぁぁ!!」


 再び身体全体で隠そうとする瞬。

 すると今度はすぐに男の巨大なイチモツのシーンに変わる。

 今度は体勢的に瞬が男の子のイチモツを咥えているように見えてしまう。


「「「「ぶふぉぉ!!」」」」

「4人アウト」


パァン!


 さらに笑う一同だが、さらに尻を叩かれる。

 一方、瞬は目の前にイチモツのドアップが現れて凍り付く。


「ぎゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


 目の前のイチモツにビビって下がる瞬。

 するとすぐに画面が女の子の全裸に変わる!

 瞬が大声で叫んだ!


「刀和! あんたも手伝いなさい!」

「わ、わかった!」


 慌てて隠すのを手伝う刀和。

 そのまま体を使って隠そうとするのだが……


パッ


 画面が女の子の全裸に変わる。

 そして刀和の目の前には女の子の股間がアップで映し出される。

 目の前に広がる光景に呟く刀和。


「なるほどー。こんなんなってんだー」

「見るんじゃない!」 


 おもわず刀和の頭を叩く瞬。

 そこから画面の男女が組んずほぐれつを始めるのだが、瞬がDVDを止めれば良いと気づくのは最後までやり切った後だった。



詳細説明



 太っている刀和と巨乳の瞬


 『無重力平安異世界に転移したけど、最強の巨人と共に無双します!』に出てきます。

 また、今回の光景はこの作品の世界観です。

 何故、こちらの二人と体型が違うのかは大きな秘密が隠されていますので、推理してみてください。


『無重力平安異世界に転移したけど、最強の巨人と共に無双します!』

https://kakuyomu.jp/works/1177354054889286295


 こちらもぜひ読んでみてください!


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る