第13話 エッチなゲーム?


『ときめき学園! 孕ませハーレムエディッション!』


 画面に浮かぶタイトルと女の子たちの可愛い声に、英吾も圭人もあきれ顔だ。


「しゃーない。先へ進めるしかないだろ」

「やりたくねーなぁ……」


 微妙な気持で進める圭人。

 舞台は主人公の部屋から始まる。


『圭人「やっべぇ! 遅刻遅刻!」』


 ベタな主人公の寝坊の理由と『俺の名前は九曜圭人』という説明セリフが流れる。


「……デフォで俺の名前かよ……」

 

 うんざりした顔になる圭人。

 それを聞いてニヤニヤ笑う英吾。


「感情移入しやすいだろ?」

「ゲームに自分の名前入れんの嫌いなんだよ……自分が言われてるみたいで気持ち悪いし……」


 チーボの言葉に嫌そうな圭人。

 それを聞いて嘉麻が笑う。


「英吾みたいに『ダーリン』とか『うんこしたい』よりもいいだろ?」

「あの時はビビったなぁ……ミレ〇ユにダーリンって呼ばせたくて名付けたのにハ〇サンがダーリン呼ばわりしてきたし……『うんこしたい』は正解だったけど」

「敵が「うんこしたい!うんこしたい!」って叫んでたわな」

「二人アウト」


パァン!


 英吾と嘉麻がどうでもいいことを思い出して尻を叩かれる。

 物語が先へと進み、リビングに入ると、お父さんらしき人とお母さんらしき人が居た。

 するとメッセージが先へと進む。


『父親「おい圭人。入学式初日から遅刻か?良い身分だな?」』


ぴきっ


 圭人の額に青筋が立った。


「てめぇにだきゃ言われたくねーんだよボケがぁァァァ!!!!」

「お、落ち着け圭人!」

「ゲームの話だから! ゲームゲーム!」

 

 キレてゲーム端末を叩きつけようとする圭人を抑え込む英吾と刀和。

 少しだけ深呼吸をする圭人。


「すまん……流石にあいつにだけは言われたくなかったから……」

「気持ちはわかるけど落ち着け。あれは本当の親父さんじゃない」


 圭人の母親は幼い時に死んで、父親はその後出て行った。

 仕送りをしてはくれているが、圭人としては自分を捨てていった父親なので大嫌いなのだ。


「とにかく先へ進めてオヤジさんを視界から外せ」

「おう……」


 歯ぎしりしながらゲームを進める圭人。

 すると、家の前で青い髪に青い肌をした美人に出会う。


『???「お兄ちゃんおはようだも! 入学式の日がお兄ちゃんと一緒で嬉しいんだも!」』


 青い髪に青い肌をしており、顔は非常に綺麗な美人だが、どっちかと言えば綺麗系の顔立ちなのに、口調が幼過ぎるので恐ろしくミスマッチだ。


「いきなり幼児キャラかよ……」

「体は大人、心は子供ってやつか……」


 口々にぼやく面々。

 一応説明セリフが流れて、彼女の名前がアイナであるとわかる。

 そんな美女がこんなことを言った。


『アイナ「お兄ちゃんは昔の約束覚えてる?」』


 それが出ると選択肢が出てきた。


「覚えている」「覚えていない」

 

 それを見て全員が唸る。


「ここは定石通り覚えているで良いんじゃね?」

「そうだな」


 そう言って圭人は「覚えている」を選択する。

 すると……


『「それはまだ僕が5歳の頃だった……」』


 画面が急にモノクロになって小さい男の子と女の子が現れる。

 女の子が男の子にお願いをする。


『あのね圭人。大きくなったら何になりたい?』

『僕はバルドーになってブランディールを倒したい!』


 そう言って意気揚々と腕を振り上げる小さい圭人君。

 それを聞いて全員が首を傾げる。


「何だよバルドーって……」

「ブランディールって何なん?」

「うるせーぞ。多分、このゲームの設定なんだろ……」


 イライラする圭人。

 物事を斜に構えている圭人は、こういう甘酸っぱいシーンが嫌いなのだ。


『アイナちゃんは何になりたい?』

『えーとね……アイナは圭人の……』


 そう言って恥ずかしそうにもじもじするが、覚悟を決めて笑顔で言った。


!』

「……へっ?」


 圭人が間抜けな声を上げた瞬間だった!


ずもももももも!!!!


 


「画面から美人出てきたぁ!」


 あまりのことにビビる英吾。

 だが、圭人も動きが早い!


「冗談じゃねぇ!」


 慌てて飛び退って逃げる圭人!

 だが、美人の方が速かった!

 その美人は瞬時に圭人の後ろへ動き……


ずぱぁん!


 強力なタイキックを打ち込む!


「おごぐぼぉ……」


 声にならない悲鳴をあげた圭人はふらふらと壁際に置いてある花瓶へと近づいて倒れそうになり……


「あぶね」


 さらっと当たりそうになった花瓶を避ける。


「「「「「うん?」」」」」


 圭人の動きに何か変なものを感じる全員。

 圭人はそのまま床でしばらくうずくまっていたが、ふらふらと立ち上がる。


「こんな所まで再現してやがったとは……」


 ふらふらと立ち上がる圭人だが、全員が疑わし気な目で見る。

 英吾がぽつりと呟く。


「本当は痛くないだろ?」

「痛いわ!」


 そう言ってお尻をさする圭人。

 だが、チーボはさきほどの動きを真似してみる。


「何かこうやって動いてって……ここで「アブね」って素に戻ってただろ?」

「必死に避けただけだろ!」


 そう言って怒鳴る圭人。


「お前らな! いっぺん食らってみろよ! 超痛いんだからな!」

「でも圭人は演技上手いし……」

「騙すのも得意だからねぇ……」


 瞬と刀和が口々に疑わし気に圭人を見る。


「あのな。あれは滅茶苦茶痛いんだからな!」


 そうやって弁明する圭人だが、その後ろで再び携帯ゲームをオンにする英吾。

 画面には音量の調節カーソルが出るがそれが「消音」に変わった。

 すると先ほどの画面に戻り、ゲームが始まる。


「お前は信用ならねーし。大体今のだって何かこんな動きでうまく避けてたろ?」

「避けてねーし! 超当たってたし!」


 嘉麻の動きと言葉に圭人が抗議する。

 一方で英吾がスキップ機能で進めたゲームは先ほどの選択肢の所まで行った。


「お前ら……俺の事を信じてくれよ……俺は友達だけは決して騙したりはしない……」


 穏やかな声で誠実に語る圭人と、その後ろで先ほどの選択肢を『覚えていない』に選択する英吾。

 圭人は演技がかった仕草で全員に言った。 


「みんな信じてくれ……あれは物凄く痛かったんだ……」


 真摯な目で語る圭人。

 そして後ろの画面では『覚えてないなんて信じられない!そんなお兄ちゃんにはケツにキックだも!』と叫んでいる先ほどの美人。


「だから俺を疑うのは止めてくれ!」


ボゴォ!


 圭人のその言葉と同時に先ほどの美人が画面から出てきてタイキックを打ち込んだ!



詳細説明


アイナ


『父親の再婚で引っ越したら異星に着いちゃったけど、そのまま楽しみます!』に出てくるキャラ。

 青い髪に青い肌をした美人先輩で町の美人コンテストで優勝している。

 どんなキャラかは見てのお楽しみ。


『父親の再婚で引っ越したら異星に着いちゃったけど、そのまま楽しみます!』https://kakuyomu.jp/works/1177354054891244185


こちらもぜひ読んでみてください!


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