第7話 第二の関門
試着室に入った全員だが、一様に戸惑っていた。
「……この服?」
「ひょっとしてこれってあれだよね?」
「何でこの服に?」
「……コスプレ?」
「……これ着るのか?」
「……マジか?」
「……完全に外れだな」
各々の試着室から変な声が聞こえてくる。
その後、ゴソゴソと言う衣擦れ音が聞こえてきて……
最初に出てきたのはチーボだった。
「……俺が最初か……」
戸惑いながら自分の姿を見るチーボ。
チーボの服は完全に『富岡〇勇』だった。
長身で端正な顔立ちのチーボに良く似合っている。
「……全員がこの服を着るのか?……そんな訳無いか……」
嫌な予感を節々に感じつつ、他のメンバーを待つチーボ。
次に出てきたのは刀和だった。
「おー♪ チーボはよく似あってるね」
「刀和も良い感じやん」
刀和の服は「時透無〇郎」だった。
小柄で痩せている刀和に良く似合っている。
髪型は刀和のままだがイメージがよく出ている。
刀和が訝し気にぼやく
「こうなると、これは全員『鬼〇の刃』のコスプレになるのかな?」
「そんな感じだな」
そんなことを話していると瞬が出てきた。
「みたいねー。どう? 良い感じ?」
瞬の服は『胡蝶し〇ぶ』だった。
瞬もポニーテールにしているのでよく似合っている。
刀和がちょっとだけ興奮して言った。
「凄く似合ってるよ!」
「えへへへ……刀和とチーボも似合ってるよ」
「そうか?」
「えへへへへ」
そう言って全員が笑ったその時だった!
「三人アウト」
「「「へっ?」」」
パァン!
即座にお尻に一撃を食らう三人。
黒子がそのまますっと消えると苦々しい顔になる瞬。
「……あーこういうことね……」
「テンション上げて笑いのハードルを下げるのか……」
「浮かれるのがダメってしんどいね……」
ぼやきながらお尻をさする三人。
すると刹那の方も出てきた。
「うー♪ うー♪」
「あら?刹那は禰豆〇なの?」
口に竹を咥えて刹那が現れた。
ヲタク趣味のある刹那にとってはこの服はご褒美だろう。
上機嫌で出てきた刹那に瞬は言った。
「別にこんな時にご丁寧に竹なんてつける必要ないでしょ?」
そう言って竹を取る瞬。
カポッ♪(竹を取る音)
「今考えたんだけど、やっぱり吹雪の中に戻った方が男同士で肌を温め合うイベントが起き……」
カポッ♪(竹をはめる音)
「やっぱ付けといた方が可愛いわね」
変なことを言い出した親友の口に竹を嵌める。
訝し気になるチーボ。
「なんか変なこと言ってなかったか?」
「気のせいヨ」
そう言ってごまかす瞬だが、次に出てきたのは圭人だった。
「これは悪意のある配役じゃないか?」
豚の頭を被って出てきた圭人に全員が苦い顔になった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます