Act:46『殺意をむき出しにするな!!』

唯「リンカーン」

悠「輪〇ですか!?」

蛍「ああもう、初っ端から酷いな!!」


――――――――――


夢「~♪」

悠「ああー! ゆめっち! ……じゃ、じゃなくて、夢先輩!」

夢「あ、悠ちゃんっ。やほー」

悠「今日は学校来れたんですね!

  うわ~……いつ見ても夢先輩は可愛いなぁ~……」

夢「あはは、ありがと! 悠ちゃんも可愛いよ~」ぎゅっ

悠「きゃっ!?」

夢「あ、悠ちゃん良い匂いするね。けっこー好きかも」

悠「は、恥ずかしいですよぉ……」


――――――――――


京「あ、ゆめっちー!」

夢「あっ京ちゃん。んー、その呼び方、やめて欲しいかな……」

京「へ、なんで?」

夢「いつもお仕事で呼ばれてるから、ちょっとね。

  できればフツーの呼び方して欲しいかなって」

京「そ、そうなん!? ごめんな、ウチ、そんなつもりで呼んでたわけやなくて!

  ゆめっち……ううん、ゆ、夢ちゃんともっと仲良うなりたくて、それで……」

夢「……京ちゃん! ごめんね、ごめんね!」ぎゅっ

京「んにゃー!? 急にどしたん!?」

夢「仲良くなりたくてだったんだね!

  ゆめっちでも夢ちゃんでもなんでもいいよ~!」

京「よーわからんけど、了解や~!!」


――――――――――


唯「夢さんは抱きつくのが好きなんだね」

夢「うーん、どうしてだろ? 身体が勝手に動いちゃうんだよね」

*「ゆ、夢ちゃん! お、俺を!」

*「いやいや俺を!」

夢「じゃあ、遠慮なく……」ぎゅっ

蛍「うおおお!? なんで俺!?」

*「「「……」」」ゴゴゴゴゴゴゴ……

蛍「ま、待て! 殺意をむき出しにするな!!」

唯「……」

桜「? 唯さんどうしたの?」

唯「いや、別に」


―放課後―


蛍「ったく……お前があんなこと振らなけりゃ俺は殺されかけずに済んだんだぞ」

唯「……悪かった」

蛍「ん、なんだよ、いつもより潔いな」

唯「そうかい? 気のせいだよ」

蛍(……なんか怒ってるのか?)


蛍「なあ、怒ってるのか?」

唯「怒ってないよ」

蛍「ウソつけ。目見て話せよ」

唯「……」じっ

蛍「な、なんだよ」

唯「だから、なんでもない」


蛍「はぁ……一応言っとくぞ」

唯「なんだい?」

蛍「お前とは四年も一緒にいるんだ。今年で五年目になる。

  お前の機嫌くらい、すぐにわかるんだよ」

唯「……」


蛍「?」

唯「ふふっ、お見通しか」

蛍「まあ、お前が違うってんなら、違うんだろうけどな」

唯「ううん、ボクは機嫌が悪かったよ。さっきまで」

蛍「え」

 (さっきまで?)

唯「ほら、帰ろう?」

蛍「お、おう」

唯「今年で五年目、か」

蛍「ん?」

唯「ふふっ、なんでもないさ」

蛍「? それならいいが」

 (まあ、機嫌は戻ったみたいだし、いいか……)

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