Act:43『どーも調子が狂っちまう』


蛍「電話は緊張する」

悠「どうしてですか?」

蛍「顔見えないとな、どーも調子が狂っちまう」

唯「ボクにかけて!」

悠「あっ! ……先輩っ!」

蛍「いやいやいや、なんで俺を見る。あとなんで顔を向けてんだ」


 *


京「智ちゃんは抹茶大好きなんやろ?」

智「そうです」

京「じゃあ抹茶味のたこ焼きはどや?」

智「……抹茶は裏切らないです」

京「えー! じゃあ今度作ってみるわー!」


京「智ちゃん、作ってみたで!」

智「! 色が既に美味しそうです!」

京「でもな智ちゃん、味はあんま美味しなかったで……?」

智「……いただくです」ぱくっ

京「どや?」

智「……やっぱり抹茶は裏切らないです」

京「ええ~! 智ちゃんほんま抹茶好きやねんな~!」

智 むふー


夢「蛍く~ん」

蛍「ん、おお、夢」

夢「えへへ~」

蛍「な、なんだ? いきなり手持って……」

夢「蛍くんの手に触れたくてさ♪」

蛍「……」(いきなりこれはずるい)


悠「そういえば、唯先輩ってどうして学校ではメガネかけてるんですか?」

唯「直接目を見られるのが苦手なんだ」

悠「そうなんですか!」

唯「でも悠さんくらいの美少女にならいくら見られてもいいかな。むしろ興奮する」

悠「私も唯先輩に見られたら興奮します」

智(なんの話です……?)


唯「――とまあ、そんな話をしたんだ」

蛍「ふーん」

唯「……どうしたんだい?」

蛍(……サッとメガネを取ってみるか)ひょいっ

唯「あ、ちょっと」

桜「あ、メガネ取った唯さん初めて見た」

唯「……か、返してよ……」もじもじ

蛍・桜「!?」


唯「まさかボクにこんな同人誌のような乱暴をするなんてね」

蛍「してねえ」

唯「でも、君のそういうところ、嫌いじゃないよ」

蛍「へいへいそうかい」

桜「……」

蛍「ん、どうした?」

桜「さっきの唯さん、すっごく可愛かったね」

蛍「……」


京「――でな! ――やねん!」

蛍「……」

京「――がめっちゃおもろくて、最高やってん!」

蛍「……」

京「んん、ほたるくん聞いてる?」

蛍「ん! おう、もちろん!」

蛍(……さっきから京の歯に青のりついてて会話に集中できねえ……)

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