Chapter:2

Act:41『ついつい、ね』

京「ほたるくん~お腹空いた~」

蛍「我慢しろ」

京「じゃあウチが死んだら骨拾ってや!」

蛍「餓死するつもりか!? ……俺の弁当食べるか?」

京「やた!」


京「いっただきます!」

蛍「早弁すればいいじゃねえか」

京「ん、もうしてもた」

蛍「おいおい……まだ一限終わりだぞ?」

京「育ち盛りやからな!

  ……ごっそさん! 美味しかったわ!」

蛍「はやっ……って、おい! ほとんど食ってんじゃねえか!」


 *


蛍「くそ……腹減った」

桜「大丈夫? 私のいる?」

蛍「いや、平気だ」

唯「いつも多くて大変そうなのに、少ないとダメみたいだね」

蛍「……そういえばそうだな」

 (俺の胃袋が妹の出す量に適応しはじめてやがる……)


智「……」ずるずる

悠「ん、智ちゃん今日はカップ麺?」

智「そうです」

悠「身体に悪いよ! 私のご飯分けてあげる!」

智「じゃあ遠慮なくです」

悠「うわー! 待って! そんなに食べないでー!」


夢「あうー……」

蛍「どうした夢? うお、なんだその重箱」

夢「普段学校に行かないから、お母さんがお弁当はりきっちゃうの。

  全然食べられなくて困ってるの」

蛍「……」(そんなに多くないと思うのは俺がおかしいんだろうか)


夢「蛍くん食べてくれない?」

蛍「え、いいのか?」

夢「うん! せっかくお母さんが作ってくれたから、残すのも悪いし」

蛍「じゃあ、いただきます。……ん、美味い! 美味い!」

夢「……!」

蛍「……ごちそうさま、美味かった!」

夢「す、スゴいよ蛍くん、完食! やっぱり男の子だね♪」

蛍「お、おう……」(夢に言われるとなんか照れるな)


桜「……」(ちょっと高めのミルクレープ、食べたい……でも食べたら……)

桜(体重が……)

唯「どうしたんだい、桜さん」

桜「あ、うん、なんでもないよ」

唯「……美味しそうだね。良かったら少しくれないかな」

桜「いいよ」

唯「……おや、申し訳ない、ほとんど食べてしまった。美味しくて、ついつい、ね」

桜「……いいよ、気にしないで!」(唯さん、ありがとうっ)


 *


桜「~♪

  ミルクレープも全部食べなかったし今日は平気だよねっ」


桜「………………

  ………………

  ………………

  ………………

  ……増えてる」

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