あんたいとる！-untitled!- 3

Act:33『お前の人生なんだったんだ？』

唯「知っているかい？　転校生がもう一人来るそうだよ」

蛍「桜に続いてか。どのクラスにだ？」

唯「どうやら、また、ボク達のクラスみたい」

蛍「俺たちのクラスなのか。そりゃまたすげえ」

桜「どんな人が来るんだろうね」

蛍『できれば可愛い女の子がいいなぁ、グヘヘヘ』

蛍「おい、悪意のある物真似をやめろ」

唯「おっと、バレてしまった」

＊「おい、た、大変だお前ら！」

蛍「ん、なんだ？」

＊「今日来る転校生……な、なんと……！」

桜「な、なんと……？」

＊「あの、超人気アイドル『ゆめっち』なんだってよ！！！」

　「「「…………」」」

　「「「えええええええええええええええ！！！？？？」」」

唯「『ゆめっち』……あの人気アイドルの？」

桜「ほ、本物なのかな！？」

蛍「……」

唯「おや、どうしたんだい？」

蛍「……すまん、全然知らない」

唯＆桜「……え？」

桜「う、嘘だよね？　あの『ゆめっち』だよ？」

蛍「あのって言われても」

唯「この『ゆめっち』だよ？」

蛍「このって言われても……」

桜「どの『ゆめっち』ならわかるの……？」

蛍「桜、混乱してるなお前」

唯「去年の大晦日に一緒に観たじゃないか」

蛍「え……ああ！　舞が好きなアイドルか！」

桜「ほ、本当に知らなかったんだね」

唯「ボクらは常識を疑うべきなのかもしれないね」

蛍「大袈裟だな……」

＊

＊「うおおおおお！！！　あ、あれは……」

＊「遠くからでもわかる……あの可愛さ！」

＊「やっべえええええマジで本物じゃねえかぁぁ！！？」

唯「みんなの視線が彼女に釘付けになっているね」

桜「オーラが凄いね……生で見てもやっぱり綺麗！」

蛍（あ、可愛い）

桜「曲も知らないの？」

蛍「知らないな」

＊「宮澤、それはまずいぞ」

＊「人生の半分以上損してるな。お前の人生なんだったんだ？」

蛍「言い過ぎだろ！？」

桜「あはは……」

＊

夢「はじめまして！　乙花（おとはな）夢（ゆめ）って言います。お買い物と歌をうたうことが大好きです。大好物はイチゴです」

＊（（（知ってる知ってるー！）））

夢「お仕事の都合であまり来れないかもだけど、仲良くしてね？」

＊「「「もちろんです！！！」」」

夢「あ、あとね！　できれば私のこと、

　　アイドルだからって特別扱いはして欲しくないなーと思ってます。

　　よろしくねっ！」

＊「「「はーい！！！」」」

蛍（なんだこの統一感……）

夢「やほっ」

蛍「ん、隣の席か？」

夢「うん、空いてる席、ここしかないからね」

蛍「よろしく。俺は宮澤蛍」

夢「蛍くんだね。うん、よろしく♪」

蛍「お、おう……」

蛍（……いやいや、待て待て待て）

夢「♪」

蛍（めちゃくちゃ可愛いな……！？）

＊「なあなあせっかくゆめっちが来てくれたんだしさ、

　　特別ライブとかしてもらわねえか？」

夢「ん？」

＊「そうだな！　体育館貸し切って！」

夢「あ、え、えーっと……？」

＊「「「いいね！　やろうやろう！」」」

唯「なんだか騒がしくなってきたね」

蛍「……」