あんたいとる！-untitled!- 3

Act:32『仲が良いね』

桜「あっ」

蛍「桜っ」

桜「蛍！？　わー良かったっ、学校同じだったんだね。安心した」

蛍「俺もだ。この前会ったときに連絡先も聞いてなかったしな」

桜「あはは、確かに」

蛍「これで毎日会えるな。何かわからないことがあったらなんでも聞けよ」

唯「なんでも……聞いていいのかい？」

蛍「いや、お前は別に聞かなくていいだろ。というかお前には言ってない」

唯「いつも以上に辛辣じゃないか……」

桜（と言いつつ、すっごく喜んでるような……？）

＊

唯「ボクの名前は篠瀬唯。よろしく」

桜「あ、高遠桜です。なんて呼べばいいかな？」

唯「豚で」

桜「へ！？」

蛍「おい、いつものテンションで桜と話すな！」

桜（い、いつものテンションで出てくる言葉が『豚』なの！？）

＊

悠「先輩の幼馴染ってことですか？」

桜「うん。幼稚園から小学校までずーっと一緒だったよ」

悠「つまり、なんでも知ってるんですか！？」

桜「うん？　なんでもって、どういう意味かな？」

悠「あの、せ、先輩の昔とか……」

桜「ああ、蛍のこと？　そうだなぁ。昔はすっごく泣き虫だったよ」

悠「ええっ意外！　……可愛い」

桜「しかもすぐに私の背中に隠れるの」

悠「とっても可愛い！」

蛍「あ、あんまり話すな！　恥ずかしい！」

智「お腹が空いたです。ペコです」

桜「昨日お家で作ったクッキーがあるんだけど、よかったら食べる？」

智「いただくです」

桜「抹茶味なんだけど、好きかな？」

智「むしろ最高です。天才です。ありがとです」

桜「そ、そう？　よかった」

悠「あー、智ちゃんが桜先輩に懐いてる！」

智「懐いてるです」ぎゅっ

桜「あわわっ？」

悠「ハグなんて私にもしたことないじゃん！」

桜「え、えと、智ちゃん？」

　ぽよんっ……

智「！　なんか嫌な感触がしたです……やっぱり懐いてないです……」

桜「え、ええ！？」がーん

唯「なるほど、桜さんは出るとこ出ている……！」

桜「な、何言ってるの？！」

唯「彼がいやらしい目で見ていたからつい」

蛍「見てねえ！」

桜「……や、やだ」

蛍「見てねえってば！　てかなんで照れてんだよっ！」

悠「先輩は私のおっぱい好きですよね？」

蛍「何の話だ！」

桜「ええ！」

蛍「おい待て悠、誤解を招いてるぞ！」

悠「じゃあ、おっぱいが好きですよね？」

蛍「ちょ…………お、おい……」

桜（否定しないんだ……）

悠「桜先輩もおっぱい大きいですね！」

桜「や、やだ、悠ちゃん……」

蛍「……」

智「鼻の下が伸びてるです。不潔です」

唯「彼は正直者だからね」

蛍「勝手なこと言うな」

桜「蛍、口元にご飯ついてるよ」

蛍「ん」

桜「そんなに急いで食べたらダメだよ」

桜　ひょい　ぱくっ

唯「おや」

蛍「……」

桜「……あ」（食べちゃった）

唯「ふふ、仲が良いね」

蛍・桜（は、恥ずかしい……）