Act:29『夏だー!』


悠「夏だー!」ばいーん!

智「海です」ぺたーん!

悠「最高だねー!」ばいーん!

智(公開処刑とはこのことです……擬音に悪意を感じるです……)ぺたーん!


舞「智さーん!」

智「! 舞さんです?」

蛍「おっす」

智「……なんで先輩さんも来てるです?」

蛍「いや、悠に呼ばれたから……」

唯「ふふ、良い天気だね」

悠「唯先輩、その格好……!」

唯「ふふ、ボクの勝負水着さ」

蛍(去年と変わらずスクール水着か……)


悠「先輩、どうですかこの水着!」

蛍「! ……お、おう、似合ってるな」

悠「ちゃんと見てくださいよ~♪」

蛍(そう言われても、目のやり場に困るぞ……!)

唯「ふふ、やはり彼は胸が好きだね」

智「男ってやつは……です」


舞「智さんの水着、可愛いですね!」

智「子どもっぽいから嫌です」

舞「えーとっても似合ってるのに! 自信持ってくださいっ!」

智「……ありがとです」

舞「えへへ♪」

悠(なんで私が誉めた時はすっごく怒るんだろ……)


悠「じゃあ行きますよ~、えいっ」ぽよんっ

蛍「!! うおっ」

悠「あっ、先輩どこにパスしてるんですかー」

蛍「す、すまんっ」

智「……」じーっ

蛍「や、やめろ、そんな目で見るな……!!!」


唯「さて、日焼けでもしようか」

舞「え、今年の唯さんはこんがりですか?」

唯「でも、ボクはあまり日焼けしないタイプでね」

舞「羨ましいです……私なんてすぐですよー」

唯「もう既にだいぶ焼けてるね……」

舞「えっ!? うわーーーー!!」



ばしゃっ

蛍「うおっ、なんだ!」

悠「先輩隙ありですよ!」

蛍「この野郎! 待て!」

悠「待ちませーん! ……!!

  ……わぷっ!? あ、脚つって……あぷっ!」

蛍「悠!」

悠「た、助けて……!」

蛍「待ってろ! すぐに……」

蛍(クソ、全然前に進めない……!)


 バシャバシャ!


蛍「!」(は、速っ!!)


唯「悠さん、つかまって!」

悠「唯先輩!」



唯「……ふう、これで大丈夫だね」

悠「唯先輩、ありがとうございます!」

唯「いやいや。……おや、どうしたんだい?」

蛍「……いや、なんでもねー……」

蛍(情けねー俺……)


蛍「はぁ……」

舞「お兄ちゃん溜息ばっかり~」

唯「申し訳ないことをしたね」

蛍「助かったから良いんだよ、別にな」

智「男なら落ち込むなです」

蛍「ああ、そうだよな……」


悠「……先輩」

蛍「ん?」

悠「先輩が必死に助けようとしてくれたの、わかってますから」

蛍「えっ……」

悠「えへへ……」


智「なかなか良い感じです?」

舞「そっとしておきましょう」

唯「うんうん」

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