Act:28『今言うな!』

悠「うふふふ、智ちゃん!」

智「なんです、近寄るなです」

悠「酷いよー! もうすぐ夏休みだね!」

智「確かにそうです。でも、今は目の前のことをやるです」

悠「先輩とどこか行きたいなー!」

智「いいからテスト勉強するですー!」


悠「ねえ智ちゃん、どうして勉強しないといけないんだろう」

智「バカだと生きていけないからです」

悠「そんなー!」

智「私も特別勉強できるわけじゃないです。でも悠は私よりできないです」

悠「そ、そうだけど……」

智「今こうしてバカに時間を使わされてるのは誰です?」

悠「……」

智「私がいないと悠はどうなるです?」

悠「ご、ごめんなさい……」



唯「もうすぐ夏休みだね」

蛍「その前にテストだな」

唯「テストか……ふふっ」

蛍「お前はいいな、笑ってられて」

唯「そんなことないよ。ボクだって、赤点を取るのは嫌だからね」

蛍(毎回満点のやつがいう言葉か?)


蛍「はぁ……テスト勉強嫌だぜ」

唯「じゃあテストそっちのけで保健の実技でも」

蛍「やらない」

唯「……」

蛍「スカートをチラつかせるな」

唯「穿いてないから見えないよ」

蛍「余計まずいもんが見えるだろうが」

唯「アワビは美味しいよ」

蛍「うるさい! 今言うな!」



悠「この答えでどうかな?」

智「違うです」

悠「あうー……」

智「まずはここです。なんでこうなるです?」

悠「え、えっとー……」

智「ここはこうするです」

悠「……」くんくん

智「何してるです?」

悠「智ちゃん良い香り~」

智「真面目にやれです」


智「そんな調子だと進級できないかもです」

悠「はう! それはやだー!」

智「なら頑張るです」

悠「うう……辛いよー」

智(こっちも教えるの辛いです……)



唯「違うね。この問題はそうじゃない」

蛍「え、どこから間違えてる?」

唯「これは……」

蛍(髪の匂いが……)

唯「どうしたんだい?」

蛍「い、いや、なんでも」


唯「ちゃんと集中して欲しいな」

蛍「悪い」

唯「じゃあここ見て欲しいのだけれど」

蛍「お、おう……ってどこを指してんだ?」

唯「ボクの乳首はこのあたり――」

蛍「お前が集中しろ!!」

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