あんたいとる！-untitled!- 2

Act:23『肉じゃが』

舞（今日は肉じゃがにしよっと）

舞「んと……材料は……」

唯「おや、舞さん」

舞「あ、唯さん」

唯「お買い物かな？　偉いね」

舞「えへへ、ありがとうございます！」

唯「彼は一緒じゃないのかい？」

舞「はい。今日は一人です」

唯「そうか。じゃあ、ボクも一緒にいいかな？」

舞「いいですよ！　でも唯さんは用事無いんですか？」

唯「平気さ。それに……」

舞「？」

唯「いや、なんでもないよ」

唯「今日は肉じゃがかな？」

舞「え、なんでわかるんですか？」

唯「ふふ、材料を見ればわかるさ」

舞「なるほど、やっぱり唯さんは凄いです！」

唯「そんなことないよ。今日は誰か来客があるのかい？」

舞「いませんよ？」

唯「……ああ、これは二人分の量なんだね」

舞「はい、そうですっ」

唯「舞さんは、よく一人でお買い物をしているのかな？」

舞「はい。お兄ちゃんが遅い時は一人で行きます」

唯「おや……それはボクにも責任があるかもしれないね」

舞「い、いいんですよ！　お兄ちゃんなんていなくても、一人で行けますから！」

唯「……本当に？」

舞「……ま、まあ、いてくれた方が、いいですけど……」

舞「ほ、ほら！　荷物持ちになってくれますから！」

唯「ふふ、そうだね」

舞「な、なんで笑うんですか！？」

唯「ふふっ、素直じゃないと思って」

舞「ど、どーゆーことですか～！」

唯「どういうことだろうね？　あははっ」

舞「も、もうっ、唯さんったら……」

舞「そういえば唯さんはなんでも好きなんですよね？（食べ物）」

唯「え……う、うん」

舞「……あれれ、好きでしたよね？」

唯（どんなプレイでも好きって……い、いや、舞くんはきっと何か違うもののことを言ってるんだ……）

舞「？」

舞「私、まだ色の濃い野菜とか苦手なんですよー……」

唯「おや、そうなんだ」

舞「はい……頑張って食べるようにしてるんですけど、苦くて……」

唯「苦い……？」

舞「は、はい。苦くて……」

唯「ドロドロしてて……飲み込めない……」

舞「え？　ええ？　何の話ですか？」

唯「……不純なボクを殴ってくれ」

舞「！？」

舞「ただいま！」

蛍「おかえり……ってなんでお前が？」

唯「ふふ、スーパーでタマタマ会ってね」

蛍「イントネーションが気になるがまあいいだろう」

舞「唯さん、今日はありがとうございます！　荷物持ってもらっちゃって……。

　　用事、大丈夫だったんですか？」

唯「うん。というか、むしろ用事は済んだしね」

舞「え？」

唯「ううん、なんでもないよ」

蛍「舞……その荷物は？」

舞「あ、今日は肉じゃがだよお兄ちゃん！」

蛍「……おい、食ってかないか？」

唯「え……ボクかい？」

蛍「ああ……」（また大量に食うのは嫌だ！）

唯「……ふふっ、いいよ」

舞「あ、無意識に唯さんの分まで買っちゃってた」

蛍「ひぃ！？」

唯「流石舞さんだね……」