Act:24『おともするですー!』

悠『ん……あれ、ここは?』

蛍『……』

悠『先輩……?』

蛍『悠……』

悠『は、はい。なんですか?』

蛍『……』

悠『えっ……ま、まさか、き、キス……!』


悠「えへへへ……」

智(寝ながら喜んでるです……)


悠「さっき、とっても素敵な夢見ちゃったの!」

智「だからアホ面晒してたです?」

悠「え、そんなに酷い顔してた?」

智「寝ながら口を大きく開けてたです」

悠「それくらい凄く素敵な夢だったからね!」

智「へえ、です。どんな夢です?」

悠「そ、それは……」

智「……なんで顔真っ赤です?」


悠「それは! 言わなくても良いんじゃないかな?!」

智「そう言われると聞きたくなるです。さっさと言えです」

悠「え、ええ! こ、困るよー……!」

蛍「おい、悠」

悠「きゃ~~?!」

蛍「えっ!?」


悠「な、なな、なんで先輩、私の教室まで!?」

蛍「お、おう。き……」

悠(『き』……!? 『キス』!?)

悠「……」

蛍「……悠、顔真っ赤だぞ?」

悠「へっ!? あ……え、えっと、続けてください!」

蛍「? わ、わかった」

智(とりあえず先輩さんが関係する夢ってことなのはわかったです)


蛍「昨日言ってた店、今日一緒に行くか?」

悠「え!? ふ、二人でですか?」

蛍「いや、智も一緒に。どうだ?」

智「なんで私も一緒です……?」

蛍「あそこの抹茶パフェ、美味いぞ」

智「おともするですー!」


智「先輩さんも抹茶好きです?」

蛍「お前ほどじゃないけど、食べる時は食べるかな。案外好きな方だと思う」

智「へー、です。見直したです」

蛍(抹茶だけで見直されるとは……)

悠(うー、智ちゃん先輩とお話してズルい~)

蛍「ん、悠どうしたんだ?」

悠「えっ!? あ、いえ……なんでもないです……」


蛍「きっと悠、喜ぶと思うぞ」

悠「そ、そうですか?」

蛍「おう。お前が予想してる以上に美味しいからな」

悠「……えへへ、楽しみですっ」

智(私を挟んでイチャイチャするのやめろです)



智「結局です。悠はどんな夢を見たです?」

悠「えっ……も、もういいじゃないそんな話は」

智「終始パフェを食べつつ顔を赤くしてたらそりゃ気になるです」

悠「う……せ、先輩に、キスされた夢……」

智「……うわ、です。キッモです」

悠「うわーん! そんな『こいつ終わってる』みたいな顔しないでよー!」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る