Act:22『ここにいちご大福があります』

悠「先輩は智ちゃんのことどう思ってるんですか?」

蛍「ん? どういうことだ?」

悠「えっと、どんな印象を持ってるのかなって」

蛍「んー、可愛いよな」

智「……」

蛍「露骨に嫌な顔するなよ!」


悠「じゃ、じゃあ……私のことはどう思ってるんですか?」

蛍「え……」

悠「……」

蛍『なんとも思ってねえです。この浮き袋が! です』

悠「……ちょっと智ちゃん、先輩の後ろで何やってんのー!」

智「何もしてないです」

蛍「お、思ってないからな……」



舞「お兄ちゃん、ここにいちご大福があります」

蛍「おお、美味そう」

舞「でも一つしかありません!」

蛍「そうか。じゃあ」

舞「じゃんけんだね!」

蛍「じゃ、じゃんけん……?」


舞「恨みっこなしだよ!」

蛍「あ、ああ」

舞「……じゃんけんっ」

蛍「ぽんっ」

舞「……負けた」


蛍「か、勝った……」

舞「うう、どうぞ……」

蛍「……あ、ああ……」

舞「……」

蛍「舞、はんぶんこにしないか?」

舞「えっ!」

蛍「一緒に食べたら美味しいしさ」

舞「……うんっ!」



唯「なるほど、はんぶんこで兄妹の仲が良くなったんだ」

蛍「ああ、まあな」

唯「いいなあ、ボクにも下がいたらなぁ」

蛍「そのあと晩飯も舞の分を半分もらって死ぬかと思ったけどな」

唯「あはは、晩御飯もはんぶんこだったんだね」



悠「あ、智ちゃーん」

智「ん、です」

 ズルッ

悠「……うわわっ!」

 ゴチンッ

悠「いたたた……固い所に当たっ……あれ?」

智「……」ぺたーん

悠「あ、あはははは~……」


悠「うわーんごめん智ちゃーん!」

智「許さんですー!! 待つです!」

悠「お、追いかけないでー!」

唯「おや?」

悠「あ、唯先輩! たすけっ――」

 ズルッ

悠「――てぇ!?」

 ゴチンッ

悠「いたた、また固い所……あっ」

智「ボクっ娘さんにまで、そういうです?」ぺたーん

唯「少し、悲しいね……」ぺたーん

悠「うわーんごめんなさいー!!」



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