Chapter:2

Act:21『そうだね、例えば……』

智「ボクっ娘さん、どもです」

唯「おや、智さん」

智「どうして、さん付けするです?」

唯「うーん、なんでだろう。年下とか関係なく、クセだね」

智「なるほどです」

唯「逆に、どうして智さんは「~です」って言うんだい?」

智「クセです」

唯「ふふっ、そうか、クセか」



悠「だ~れだ♪」

蛍「うお! ……悠だな」

悠「わー、凄い! なんでわかったんですか!」

蛍「そりゃ、声でわかるって」

悠「え~先輩、私の声、ちゃんと覚えててくれてるんですね……♪」

蛍「ま、まあな」(実は胸が当たってたからなんて言えない)

智 じとー

蛍「……な、なんだ?」

智「なんでもないです」ぷいっ


蛍「そういや悠達は部活とか入らなかったのか?」

悠「元々運動が苦手で……」

蛍「なるほどな。でも、文化部とかなら入れるだろ?」

悠「えっと……」(先輩と一緒にいれる時間無くなっちゃうし……)

智「悠にも色々あるです」

蛍「そ、そうか?」

悠(智ちゃん、ありがと!)

智(あとで抹茶奢ればいいです)

悠(めっちゃゲンキンだー!)


蛍「智は?」

智「めんどくせーです」

蛍「そういう理由なのか……」

悠「あ、でも智ちゃん実は部活入ってるんですよ!」

蛍「ん、そうなのか?」

悠「茶道部だよね、智ちゃん」

智「肩書きは、です」

蛍「肩書き? どういうことだ?」

智「たまにしか行かないです」

蛍「幽霊部員か」


悠「先輩は部活入らなかったんですか?」

蛍「俺は妹がいるからな。できるだけ一緒に晩御飯食べたいし」

智「たまに何も言わずに遅く帰るらしいです?」

蛍「う、何故それを」

智「妹さんが言ってたです」

蛍「ま、まあな……そういう日もある」



唯「部活?」

蛍「そう。一年とその話になったんだ」

唯「ボクは君と同じで、中学の時から入っていなかったからね」

蛍「高校入って、何か入る気にはならなかったのか?」

唯「うーん。特には。動機になるようなこともなかったからなあ」

蛍「なるほどな」


蛍「でも、お前なら何やってもそつなくこなしそうだけどな」

唯「そうかな。ボクは大したことないよ」

蛍「嘘つけ。お前ができないことなんてないだろ?」

唯「ボクにもできないことはあるよ」

蛍「例えば?」

唯「そうだね、例えば……パ〇ズリとか」

蛍「……」(悠ならできそうだな)

唯「おや、何を考えているのかな?」

蛍「うっ……な、なんでもない」

唯「なんだかよこしまなこと、考えてないかな?」

蛍「そ、そんなわけねーだろ!」

唯 じーっ

蛍「……か、考えてました」

唯「ふふ、正直でいいね」

蛍「……はぁ」

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