Chapter:2
Act:21『そうだね、例えば……』
智「ボクっ娘さん、どもです」
唯「おや、智さん」
智「どうして、さん付けするです?」
唯「うーん、なんでだろう。年下とか関係なく、クセだね」
智「なるほどです」
唯「逆に、どうして智さんは「~です」って言うんだい?」
智「クセです」
唯「ふふっ、そうか、クセか」
*
悠「だ~れだ♪」
蛍「うお! ……悠だな」
悠「わー、凄い! なんでわかったんですか!」
蛍「そりゃ、声でわかるって」
悠「え~先輩、私の声、ちゃんと覚えててくれてるんですね……♪」
蛍「ま、まあな」(実は胸が当たってたからなんて言えない)
智 じとー
蛍「……な、なんだ?」
智「なんでもないです」ぷいっ
蛍「そういや悠達は部活とか入らなかったのか?」
悠「元々運動が苦手で……」
蛍「なるほどな。でも、文化部とかなら入れるだろ?」
悠「えっと……」(先輩と一緒にいれる時間無くなっちゃうし……)
智「悠にも色々あるです」
蛍「そ、そうか?」
悠(智ちゃん、ありがと!)
智(あとで抹茶奢ればいいです)
悠(めっちゃゲンキンだー!)
蛍「智は?」
智「めんどくせーです」
蛍「そういう理由なのか……」
悠「あ、でも智ちゃん実は部活入ってるんですよ!」
蛍「ん、そうなのか?」
悠「茶道部だよね、智ちゃん」
智「肩書きは、です」
蛍「肩書き? どういうことだ?」
智「たまにしか行かないです」
蛍「幽霊部員か」
悠「先輩は部活入らなかったんですか?」
蛍「俺は妹がいるからな。できるだけ一緒に晩御飯食べたいし」
智「たまに何も言わずに遅く帰るらしいです?」
蛍「う、何故それを」
智「妹さんが言ってたです」
蛍「ま、まあな……そういう日もある」
*
唯「部活?」
蛍「そう。一年とその話になったんだ」
唯「ボクは君と同じで、中学の時から入っていなかったからね」
蛍「高校入って、何か入る気にはならなかったのか?」
唯「うーん。特には。動機になるようなこともなかったからなあ」
蛍「なるほどな」
蛍「でも、お前なら何やってもそつなくこなしそうだけどな」
唯「そうかな。ボクは大したことないよ」
蛍「嘘つけ。お前ができないことなんてないだろ?」
唯「ボクにもできないことはあるよ」
蛍「例えば?」
唯「そうだね、例えば……パ〇ズリとか」
蛍「……」(悠ならできそうだな)
唯「おや、何を考えているのかな?」
蛍「うっ……な、なんでもない」
唯「なんだか
蛍「そ、そんなわけねーだろ!」
唯 じーっ
蛍「……か、考えてました」
唯「ふふ、正直でいいね」
蛍「……はぁ」
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