Act:19『ウィンウィンです』
悠(デートが決まってのは良いけど……洋服、どうしよう!
うーん、これはちょっとダメ……これも、なんか変!
うわーーーん!!)
智『で、私に電話したです?』
悠「うん……」
智『自分が一番見せたい自分を見せるべきです』
悠「……智ちゃん……!!」
智『
悠「や、やっぱり抹茶なんだね……」
*
悠「あ、先輩!」
蛍「おー」
悠「お、遅れましたか、私!?」
蛍「いいや。俺がちょっと早かっただけ」
悠「そ、そうでしたか! え、えーっと……じゃあ、行きましょう?」
蛍「……そうだな」
悠(あれれ……な、なんだか素っ気ない……?)
悠「え、えーっと、今日は映画を観ます!」
蛍「お、いいな」
悠「先輩は映画とか、好きですか?」
蛍「そうだな。好きだぞ」
悠「じゃあ、良い選択でしたね! えへへ」
蛍「んじゃ行こうぜ」
悠「は、はいっ」
悠「この映画観たかったんです!」
蛍「ん……」
悠(ラブストーリーなんて、ちょっと思い切っちゃったかな……)
蛍「じゃ、じゃあ俺が買ってくるよチケット」
悠「え、あっ、私払いますよ!」
蛍「いいよ。俺が払うよ。後輩に払わせるわけにはいかないからな」
悠「は、はい……」
蛍「ポップコーンとかいるか?」
悠「あ、そうですね。折角の映画ですし」
蛍「そうか。じゃあ買ってくるよ」
悠「ふええ!? そ、それはダメですー!」
蛍「俺も食べたいしさ」
悠「いえ! これ以上出してもらうのは……!」
蛍「……じゃあ、半分出してくれよ。それでいいか?」
悠「うう……はい」
*
蛍「……」
悠「……」
蛍「……」
悠(先輩、嫌がってないかな?)
……ラブストーリーなんて選ばなければ良かったかな……。
うわあああ映画にぜんっぜん集中できないー!!
*
悠(映画の内容、まったく覚えてない……)
蛍「良かったな、映画」
悠「は、はい! そうですね!」
悠(ああ、言葉が全然浮かんでこないー!)
蛍「……なんつーかさ。今日、緊張したよ」
悠「へ?」
蛍「悠と二人きりってのは、久しぶりだったからな」
悠「……そ、そういえば、そうですね」
蛍「それになんか今日の悠には、いつもと違って更にドキッとした。
その服も、よく似合ってて可愛いな」
悠「え……」
蛍「も、もうこれ以上は言わねーぞ……恥ずかしいから」
悠「え……!」(それって……)
蛍「か、帰るぞ?」
悠「……はいっ♪」
悠(……えへへ)
*
智「ふーんです。手応えはなかなか良かったみたいです?」
悠「えっへへ~そうなんだ~」
智「私も抹茶もらえて満足です。ウィンウィンです」
悠「うふふふっ、どんどん飲んじゃってー!」
唯「なるほど、二人でピンクなホテルに」
蛍「行ってねえよ!」
悠「せ、先輩、忘れちゃったんですかー? あのホテルでの一夜を……」
唯「やはり……! これは詳しく聞かないとだね」
蛍「だから行ってねえよおおお!!」
智「……やれやれです」
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