Act:18『どこか行きませんか?』
悠「先輩、手で輪っか作ってください!」
蛍「ん、こうか?」
悠「うふふふ……」
蛍「?」
悠「……ズボズボっ!!」
蛍「人差し指を出し入れするな!」
唯「悠さん、それはダメだよ」
悠「ゆ、唯先輩……!?」
蛍「そうだ、言ってやれ」
唯「君が輪っかを作って、彼の指を出し入れしなきゃ」
悠「はっ……なるほど!」
蛍「そうじゃねえ」
*
悠「ねえねえ智ちゃん」
智「なんです?」
悠「先輩を振り向かせるにはどうしたらいいかな」
智「簡単です」
悠「ほ、本当!?」
智「先輩さん、こっちです」
蛍「ん?」
智「振り向いたです」
悠「そ、そうじゃなくてー……」
悠「先輩のハートを掴みたいの!」
智「そんなことしたら死んじゃうです」
悠「鷲掴み!? ぶ、物理的じゃなくてー」
智「間接的にです? つまり、自分の手は汚さないってことです?」
悠「なんで殺る気満々なのー!!」
智「なんの見返りもなしに頼む方が筋違いです」
悠「う……」
智「私はそんな安い女じゃないです」
悠「じゃああとで抹茶の飲み物買ってあげるから……」
智「それじゃあ作戦を考えるです」
悠(切り替え早っ!?)
智「実際、すぐに振り向かせることなんてできるわけないです」
悠「それはわかってるけど~……」
智「まずはデートにでも誘うです」
悠「で、で、デート!?」
智「そうです」
悠(で、デート……デート……!)
智(顔真っ赤です)
智『とにかく善は急げです。私が先輩を呼ぶです。そしてデートの誘いをするです。そして抹茶を私によこすです』
悠(先輩……デート、してくれるかな……)
蛍「よう、悠」
悠「せ、先輩!!」
蛍「智に言われてきたけど、どうした? 何か用か?」
悠「は、はい……」
智(ファイトです。抹茶うまうまです)ズズズズズズ
悠(智ちゃんうるさっ!)
悠「あ、あの……今度の休日に、どこか行きませんか?」
蛍「ん、いいぞ。智も一緒なのか?」
悠「い、いえ! わ、私と先輩の二人で……」
蛍「えっ……そ、そうか。わかった」
悠(あれ……嫌がられてる!?)
蛍「じゃあ、またメールしてくれ。……じゃあな」
悠「あ、ちょっと……!」
悠「……」
悠(……わ、私、嫌われてるの!?)
To Be Continued in Act:19
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