Act:17『思ってても言うな!』
悠「こ、ここが先輩のお家……!」
蛍「狭いけど、どうぞ」
悠「うわーーーー!!! 先輩の匂いがします! や、やば~!」
蛍「変な言い方するな!」
智「本当に狭いです」
蛍「思ってても言うな!」
*
蛍「ん、俺ん家に行きたい?」
悠「はい! 行きたいんですけど、ダメですか……?」
蛍「ああ、別にいいけど。何もないぞ?」
悠「とか言いつつナニかしてるんですよね~?」
蛍「お前なあ……」
蛍「じゃあ今度の休日な」
悠「はい!」
悠(結構すぐに決まっちゃったけど、今思うとなんだか凄く恥ずかしい……!)
悠「あの、先輩!」
蛍「ん?」
悠「と……智ちゃんも連れてきていいですか?」
*
悠「まだ玄関なのに、満足しちゃいました」
蛍「早過ぎるだろ」
智「……帰っていいです?」
蛍「それも早過ぎるだろっ?!」
悠「先輩は出すのが早過ぎますよっ」
蛍「なんの話だ!」
悠(ここが、先輩の部屋……!)
智「案外スッキリしてるです」
蛍「まあな。部屋の掃除はちゃんとしてるんだぞ」
悠 きょろきょろ
蛍「ん、どうした?」
悠「エッチな本とかないのかなーって」
蛍「ねえよ!!」(やっぱりアイツと同じタイプだな!!)
悠「それは健全ではないです! エッチな本無くしては高校生男子は語れません!」
蛍「語らなくていいから!」
智「……なんでもいいです。お茶持って来いです」
蛍(智はめっちゃくつろいでるし!)
悠「そうですね。
ちょっと喉乾いて来ましたし、後のことを考えて水分補給しないと!」
蛍「後のことってなんだ……もうすぐ妹が持ってきてくれるから、待っててくれ」
智「……」
蛍(うおお、露骨に嫌な顔だ)
智「先輩さん、私言ったはずです。年下は大嫌いです」
蛍「わ、わかってるけど……別にお茶持ってくるくらいはいいだろ?」
智「……はぁ、です」
こんこん がちゃ
舞「こんにちはー! 初めまして、妹の舞です!」
悠「始めましてっ! うわー可愛い妹さん!」
舞「ええっ! う、嬉しいですっ!」
智「……」
舞「悠さんと、智さん……ですよね?」
悠「えっ、どうして知ってるの!」
舞「お兄ちゃんから話は聞いてますから! 智さんっ」
智「……なんです?」
舞「よろしくお願いします♪」
智「……はいです」
舞「友さんは抹茶が好きなんですよね?」
智「まあ、です」
舞「だったら、今度また家に来てください!
その時までに美味しい抹茶用意しますから!」
智「……なんでそんなこと、するです?」
舞「だって、先輩ですもん! ちゃんとおもてなししたいですから!」
智「! ……先輩さんよりできた子です」
蛍「ひ、ひでえ」
*
舞「また来てくださいっ!」
悠「うん! 先輩もありがとうございました」
蛍「おー。気をつけて帰れよ」
智「……」
悠「ほら、智ちゃんもっ」
智「……ばいばい、です」
舞「あ、はいっ! さよならっ」にこっ
蛍(……えっ、俺は!?)
悠「あれ、智ちゃん笑ってる?」
智「笑ってないです。さっさと帰るです」
悠「あっ、ちょっと待ってよ~」
智(……年下も悪くないかも、です)
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