クソど変態オンナと極振りステータス!?
こうして、シズと言うクソど変態オンナとパーティーを組み、この隠しダンジョンを突破しなくてはいけなくなってしまったのだが、少々問題がある。
問題は…と言うと、大概隠しダンジョンにはボスがいる。どのMMORPGでも同じだと思う。そのボス部屋まで突き進む前に、モンスターに射たれてしまうなんて事は、ざらにあるのだ。
オレのこの【VIT】値ゼロで、今のHPは15って言うことだ。
そう、一切の被ダメなど食らう訳には行かないのだ。
言わずと知れよう、もし食らってしまうのであれば1発即死は免れないであろう。
「やっちゃったかな?【AGI】極振り…他のステータスはゼロだし…はてはて、どうすれば良いものか!?」
まだ問題はあるのだ。このクソど変態オンナの子守をしながらの戦闘だ。一見オレと何も変わらない装備である。
強いて言うならば、オレの武器は「ちょー初心者用ダガーナイフ」で、このオンナは片手剣である。
見たところ、そこまでレアって武器では無い。
もしかしたら、名前の前にオレと同じ「ちょー初心者用」なんて事もあるのだ。
「やっぱりコイツは要らねぇよ!!捨ててこ!」
洞窟を2人で歩く中、彼女のスピードは落ちながら少しオレの後ろを歩くようにりつつ、オレはそう呟いた。
その言葉が彼女の耳にでも入ったのか……
「捨てるなんて言わないでくださいよぉー!もしかして、また言葉責めですか?何でそんなに私の好みのプレイを…」
「黙れ!!つか、お前のステータス見せろよ!あと装備もだ!その先にボスだっているかもしれないんだぞ!?お互いのステ知っといた方がこの先良いだろ?」
と口にした後、このクソど変態オンナはステータス画面を呼び出すのであった。そして、オレと同じ白い半透明のパネルが出現した。
『基本情報』
【NAME】シズ
【Lv.】8
【HP】40/89
【MP】20/30
『ステータス』
【ステータスポイント〈+0〉】
【STR】150〈+120〉
【VIT】0
【AGI】0
【INT】0
【DEX】0
『装備一覧』
≪右手≫
【エリオンド・ソード】
〈スキルボックス〉:【責められるのがお好き】
≪左手≫
【空】
≪ヘルム≫
【空】
≪アーマー≫
【空】
≪グローブ≫
【空】
≪ブーツ≫
【空】
≪アクセサリー≫
【空】
【空】
【空】
『スキル』
【修練の一撃】【責められるのがお好き】
「ふむふむ…っておい!?お前、まさか…【VIT】ゼロ、【AGI】ゼロ…って事は…お前も極振りだったのか?ガァーーン!!」
オレはきっとコメディ番組でよく見るような、頭に桶が落ちて来たような表情を浮かべていただろう。
「極振りでも【STR】極振りと来たもんだ!?だがらお前歩くのが遅かったのか!?納得だわ!…っておいっ!このスキル【責められるのがお好き】ってお前の好みそのまんまじゃねぇか!?ギャグか?ギャグなのか?このネーミングセンス…運営も運営だわ!まぁ、スキルのことは後で詳細見るつう事で…気になんのが【エリオンド・ソード】って言う武器だよ!ちょい、詳細見せてみ?」
オレは軽く無理矢理の様に、彼女が右手に持つ「エリオンド・ソード」を手から離し、【鑑定】をする事にした。
「アァーン!そんなに無理矢理だと…ハァハァハァ…」
「良くもまぁ、こんなに欲情できるもんだな!?平和だよ!!色んな意味でお前の頭平和で良いよな!?」
そう蔑んだ目をしながら彼女に目を配り、【鑑定】と唱えてパネルを表示させた。
【エリオンド・ソード】
上級者向けの武器。ドワーフの手によって鍛錬された剣。稀にモンスターからドロップする。高価な武器。【STR +30】
〈スキルボックス:【責められるのがお好き】〉
「ふむふむ、これがエリオンド・ソードの詳細ね…!?なかなか良い武器持ってんじゃねぇかよ!?稀にモンスターからドロップって書いてあるし!うん?ちょっと待てよ!これ【STR】プラス値30だけど、お前残りの150はどんなスキルよ?見せろ!」
はたまた顔を赤面と化す「シズ」は、慌ててスキル詳細のパネルを開いてオレに見せるのだった。
「これが私のスキル【責められるのがお好き】と【修練の一撃】です!」
オレはそのスキル詳細をまじまじと眺めるのであった。
【責められるのがお好き】
ヘイトが大幅上昇する。装備に装着する事でスキル発動の必要が無く常に大量なヘイトを出し、敵を呼び込む。狩に適している。
取得条件
同じ敵に対し、100回以上の攻撃を与えられ尚且つ、無抵抗でいること。
【修練の一撃】
瞬時に高火力の攻撃を繰り出す事ができる。
【STR+1.5倍】
取得条件
ある一定時間自分から攻撃せず、HPが35%まで減少した際に、一撃で敵を倒す。
「【責められるのがお好き】なんて言葉のまんまじゃねぇかよ!?攻撃100回もされて我慢してたのかよ?それにこの【修練の一撃】つうスキル!?化け物スキルじゃねぇか!?変態過ぎねぇか?」
シズは照れているのか、顔を赤くして下を向く。
「まぁ、お前のステと装備の事は分かった!オレも【AGI】極振りだから…まぁまぁ、相性は良いんじゃねぇか?ただこれだけは言わせてもらう!一撃も食らうなよな?死ぬぞ!?2人でここでリタイアだけは勘弁な!?オレも【VIT】はゼロだから…」
そう言って、洞窟の先を目指すのであった。
『とんでもない奴とパーティー組んじまったな!?』
♢♢♢♢♢
【あとがき】
「面白い!」「続きはよー!」「なかなか良いじゃん!?」って思って頂けたら、
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