第一章、大一幕炎天

一人目のパラサイトツリー


源頼朝と、義経の中は悪かった


それを身近に感じていたのは「常盤」だけではない

ーー雑兵たちだ


じぶんが使えてる主がどうやら、我が子をお好きではないようだと気付いてる

(--主様は、、、御子がお嫌いのようですな)

(ええ、しかしまぁ、それは理由があって)


そして、その理由のいったんが、「北条政子ほうじょうまさこ」にあると気付いてる

(あくまで一端だが)



ーー義経、この時ーー幼名を「牛若」という

(お義母様は、どうやらオレのことが嫌いらしい)

ーー「牛若様」


ーーだから、天狗にさらわれたのはむしろ救いか

「それじゃ、いくぜぇ牛若ぁ」

「うむ、こい」


ーー木刀片手に、天狗と向き合うーー法螺貝ほらがいを吹き鳴らし

天狗は、霧を操り、雷鳴をとどろかせ、宙をやすやすと舞う


「牛若様」とここでは、特別扱いもされないが、代わりに「怯えた目」でみられることもない


「ひひひ、励むことですじゃ、儂はもう死ぬでの、最後に牛若に見せてやりましょうぞ

我が物の怪の力」

ーー紅葉苺べにばいちごが、あたりを埋め尽くす「うわっ」

おもわず、キイチゴの果実を全身でつぶす

「あ、ああ」

視界を遮り、目が痛い、口の感覚が甘酸っぱい味覚に支配される

鼻の感覚が消える

(ようするに、キイチゴのにおいをかぎすぎた)

「ひひひ、こんなのまだまだ序の口じゃ、牛若ぁーー儂にはな武蔵坊弁慶という息子がおる

ーー牛若よ、おぬしはいずれ儂の息子とやりあうことになるであろう、ひひっひそんなんではな、倒せぬわ」


ーー武蔵坊弁慶の母ーー近江おうみ国の、鍛冶場出身の「怪物」

ーーは、そういった

「いいか、牛若ぁーー家系じゃよ、誰でもはこの能力はもって産まれん

家系じゃ、儂が息子を産み時に製鉄を喰らった

ーーひひっひ、男衆が山でとる鉄じゃ、山のどてっぱらに穴をあけて

それを製鉄するんじゃ、--製鉄をする男衆は片目がつぶれるんじゃ


じゃから、見える目は、片目だけになるーーそれで、出来上がった「鉄」を喰らったのじゃ、我ながら正気と思えん所業じゃ、じゃが、それがゆえに

牛若よーー私の息子はできた


「鉄」の硬度と黒さを持つ怪物へとなー―真に恐ろしいのは「生まれじゃぁ」

鹿は、鹿以外に生まれませぬ、虎は虎以外にはうまれぬ



牛若よーーーーーーーー人間、努力でできる事には「限界」がある

ーーーー「産まれ」じゃよ


そして、ゆうとるんじゃ、儂の勘が、儂の息子と牛若でもってもして、異形にはてこずるじやろと


ーーー儂はの、同類を感じ取れるーーー「家系」でもって、「異形」の力をもつ奴がちらほらいる、、、お気をつけなされませ牛若様ぁ」



ーーその予言通り、後に新陰流へと継承される武術をもつ、天才義経と

鉄の硬度と無双の怪力を持つーー「弁慶」ですら苦戦する怪物がいた


ーーーその人物の名前は「滝夜叉姫たきやしゃひめ

ーーー新皇しんのうの「娘」である、平将門たいらのまさかどの娘

が、現代へ飛んだ


彼女は、今風にいって「物の怪」或いは「異形」の能力を持つ

――現代風には「寄生樹」----「パラサイトツリー」という

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