執筆で悩んでいた自分に道を開いてくれたのは、メモリーアスリートでした。

青キング(Aoking)

執筆で悩んでいた自分に道を開いてくれたのは、メモリーアスリートでした。


 一時期、自分には小説を書く才能は無なんじゃないか、と思い悩んでいました。


 同世代の小説を読むたびに、よくこんな秀逸な表現や描写が思いつき、文章に出来るなあと感心すると同時に、自分に失望していました。

 

 それでも諦めきれない自分は小説を書き続けて、精一杯物書きであろうと努めました。


 努力が足りないと己の怠惰を責め、読者に耽ったり、語彙力が不足していると気が付いて、語彙ノートに改良の手を加えたり、いろんな人の創作アカウントで、情報を取得したり、とにかく文才を求めて吸収しまくっていました。


 けれど、見えた未来が挫折しかありませんでした。


 自分は負けず嫌いなので、上達しようとこれらの行為を続けました。


 でも、やはり明るい未来が想像することができず、この先どうすればいいのか手詰まりでした。


 そんなある日、出会ったのが記憶術でした。

 

 半信半疑で記憶術について調べると、記憶力日本一のSNSアカウントを発見。

 これが自分の転機でした。


 すっかり記憶術の虜になり、メモリースポーツにも興味を持ちました。


 それまで自分がしてきた努力が、才能を有無によって芽が出るか出ないかが決まる不確かなものであると気が付きました。


 ならば才能のない者が、才能ある者に太刀打ちするには、何が必要か?

 そこで自分は、方針転換をしました。

 ずばり戦い方を変えたのです。


 以降、自分の読書は覚えることに重点を置きました。

 才能ある者たちの小説から、語彙や描写を記憶させていただき、すぐに使えるように整えておく。それだけです。

 なお思い出す時、自分は引き出すとか抽斗という表現や比喩は使いません。

 なぜなら引き出すや抽斗、は記憶したことを思い出すのに上にある物が邪魔しますからね。

 

 記憶の真髄は、作って、置いて、巡る、です。


 記憶術のおかげで、以前の自分では思いつかなかったであろう描写や表現が、すらすらと頭に浮かぶようになり、語彙に至っては今は使いもしないのに、すぐに思い出せる状態です。


 現在の自分は文章を思い付いて書く物書きではなく、覚えている物を組み合わせて書く物書きです。

 

覚えるだけなら才能を必要としませんし、なにより執筆に直接関係してくるんですから、記憶術は手放せない唯一無二の技です。物書きなら誰でも欲しい技術です。


 今の自分の目標は、才能にはあまり頼らず記憶術に頼る作家になることです。

 そして終いには、小説には才能が必要ないことを証明し、才能がないと言われて夢を諦める人が少しでも減ってくれれば、と願います。


 さあ、みんなでメモリースポーツ!

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