第57話
「レナートさんのようにお手伝いでも良いのでよろしくお願いいたします………!」
「ふむ。はい、オリヴィエ様、そこまで言うのでしたら、分かりました。責任持って、貴女を見習いのひとりに致しましょう。」
「まあ!見習いに!ありがとうございます!」
庭師見習い生活、次回から始まりそうですね!
ラートは、公爵家のご長女………王族の、唯一の姫君のようなお方を前にして、実は、緊張していましたが、随分と気さくな明るい公爵令嬢。
なので、ラートは、内心、ほっと一安心をしたようです。
「どういう時になら、来ても良いのかしら?」
「レナートおぼっちゃまがいらっしゃるときにでしたら、来てもかまいませぬが………」
「もちろん、そのつもりで来ておりますから、ご安心下さいませ!」
「レナートおぼっちゃまは大丈夫でしょうか?最近、お忙しいでしょう?」
「えっ!?レナートさんお忙しいのですか?」
もしかして、公爵令嬢からの頼み、断れずに……
それでしたら、諦めます。庭師見習いに興味はありますけれど………
ご迷惑をお掛けしてでも参加するわけには参りませんもの!
「オリヴィエ様、私でしたら、構いませんよ。
リージー公爵様からは、貴女の護衛を頼まれています。それに、護衛の練習にもなりますから私としても、本当に有り難い機会なんです。」
「まあ!わたくしは、庭師のお手伝いが出来、レナートさんは、騎士として、護衛の訓練が!一石二鳥という訳でございますね?」
「ええ。それ以外にも理由はございますが………
これは、また、いずれ、お話します。」
「………それ以外の理由?」
ハテナマークを浮かべて、ちらっと、レナートさんを見てみますと、なぜか、優しく柔らかく微笑まれました。
………えっ?わたくしに、何かありましたか??
なんだか、照れてしまいますけれど、これは、何なのでしょう?
「………うむ。そういう訳ですか。それならば、オリヴィエ様、よろしくお願いいたします。」
「まあ!本当に宜しいのですか?ラートさん!レナートさん!ありがとうございます!」
「庭師見習いさんは、主に、何のお仕事を?」
「見習いは、2種類に分かれておる仕事でな。レナートおぼっちゃまのように儂や弟子と庭の整備をする者。もしくは、庭師の仕事の宣伝、つまり、事務と営業する者じゃ。」
「庭の整備………ジムとエイギョウ……」
ジムは、机仕事の事務よね?エイギョウって、何なのかしら?
リラのお姉様がおっしゃっていたから、商会や商売の専門用語だと思っていたけれど
庭師さんも、エイギョウって言葉を使うのね。
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