第51話



「お次は、アナスターシオ王太子殿下!重要な発表があるそうでございます!アナスターシオ王太子殿下!よろしくお願いいたします。」


「国民の皆さま、お久しぶりでございますね。よろしくお願い致します。」


アナスターシオ王太子殿下の正装は、今回は、瞳の色と同じ青緑の線が入った白いスーツ。


相変わらず、お美しくて、御令嬢やご婦人達の目が、ハートになりましたね。


キャー!って、皆さん、はしゃいでおります。


「今年の秋、私の婚姻相手が決定しました。」


「「「「「「「キャー!!!!」」」」」」」


ああ、御令嬢やご婦人達のさっきのキャーが、さらに、さらに、大きな声になりました。


その中には、ショックを受けている令嬢の方もいらっしゃるようです。お兄様、モテますね。


わたくしもびっくりしていますが、そろそろのはずとは思っていましたので、ひと安心です。





「相手は、隣国の、ラウレア王国の第一王女、ユーリシア姫です。ユーリシア、こちらに。」


「はい。初めまして。レンテーゼの皆さま。」


まあ!ユーリシア姫!やっぱり、こちらに来てらしたのでございますね………!


お美しいキラキラと輝いている金色の長髪に、ぱっちりとした可憐な青紫の瞳の美女です。


わたくしを知る侯爵家の方々がこちらを見て、びっくりしています。ええ。お兄様の相手は、実は、わたくしではないんですよ。


「こんにちは。わたくしの名は、ユーリシア・アグネーゼ・ラウレアと申します。これから、よろしくお願いいたします。」


「春頃に婚姻式を挙げます。ユーリシア共々、これからも、よろしくお願いいたします。」


春に婚姻されるのですね。本当に、おめでとうございます!お兄様!ユーリシア姫!


これからは、お姉様とお呼び出来るのかしら?今度、直接お二人に聞いてみましょう!


「ユーリシアとは、隣国に外交の副代表として行った時に出会いました。こちらに来る決意をしてくれて、ありがとう。ユーリシア。」


「わたくしは、貴方をお慕いしていますから。こちらこそ、わたくしを迎え入れて下さって、ありがとうございます。アナスターシオ様。」


本物の王子様のような本物の王子様であられるお兄様と可愛いらしい妖精のようなユーリシア姫が並ぶと、まるで絵画のようですね。


それか、もしくは、わたくし達が別世界に来たかのような世界観でございますね。


ショックを受けていた御令嬢は、逆にうっとりしています。反対する者は現れなさそうです。


むしろ、このお美しいおふたりのファンが増えそうな勢いですね!


「ふふふ。今日から、わたくし、この王国に、留学して参ります。滞在先は婚姻式まで王室の別邸です。よろしくお願いします。」

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