第50話



「国王陛下、アジュール様のおな〜り〜!」


パンパンパンパーン パンパンパンパーン と音が流れ始めました。なかなかドキドキ緊張感ある音楽をお創りになられましたね。


ついに、今、このレンテーゼ王国の国王陛下、アジュール様が現れました!


お兄様やアンジェロくんは、お父上にそっくりでございます。


叔父様は、若々しく見えるお方なので、父子で並ぶと、まるで、三人兄弟のようです。


「ただいまから、アジュール国王陛下並びに、アナスターシオ王太子殿下の………」


と、色々アナウンスが流れる中、わたくしは、王族の席に向かいました。


と言っても、目立たない後ろの方の席ですね。

ひっそりと座らせていただきます。


お母様は王妃の叔母様と共に前の方にいます。





「今回、司会を務めさせて頂く、ラウレールと申します。よろしくお願い致します。」


お父様!?見当たらないと思ったら、今回は、司会者になられたのですか!?


国民は、司会が公爵だとは思わないでしょう。普段なら、伯爵位の方がやるんですから。


公爵だと知っている方は騒ついておりますね。


「まずは、国王陛下、アジュール様からお話があります!よろしくお願い致します!」


「…………ああ。私が、このレンテーゼの国王になって、早くも3年の時が経った。皆、着いてきてくれて、本当にありがとう。これからも、息子たち共々、よろしく頼む。」


お父様、司会者に成りきりすぎて、アジュールおじさまがびっくりしてらっしゃりますよ?


さらにさらに、国王陛下自ら、深々とお辞儀をされて、国民の皆様から大変驚かれています。


アジュールおじさまは、本当にお優しいお方。


国民の幸せを常に考えられていて、国民から、非常に尊敬されています。





「まず、来年春からの政治的な方針について、詳しく簡単に説明していこうと思う。」


わたくしには難しい話ではありますが、次々と政治関連の話がアジュールおじさまから語られます。外交についてのお話や国民の生活など。


まず、かなり減税することになったそうです。


そうすることで、誰もが買い物しやすくなり、さらに、国が発展繁栄していくのだとか。


次に、隣国や異国で、これから先関わる人々の特徴が語られました。


宗教や文化の違いもありますから、先に知っておくと良いんだそう。


そして、最後に、隣国・異国から数人の貴族のご子息や御令嬢が留学に来るんだそうです。


まあ!最後のは初耳でございます!隣国や異国から、留学生って、初めてではないかしら?


もしかしなくても、ユーリシア姫の話かしら?ユーリシア姫以外にも来られるの?

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