第47話



希望に満ち満ちた神様のお話しでしたね。


とても暖かな愛を感じさせていただきました。本当に、素晴らしいです。


ああ、そろそろ、レナートさん達の剣舞の部の時間になりそうですね。


剣舞の部が行われる会場に向かいましょう!






「お母様、お待たせいたしました。」


「ふふふ。おかえりなさい。オリヴィエ。」


会場の一番隅。目立たない位置にいるお母様のお隣に座ります。


お母様は、公爵夫人としても、伯爵令嬢だった頃も、有名な立場ですから。


「騎士たちを見てごらんなさい。早くに準備を始めているのよ。素晴らしい集中力よね。」


「騎士団の皆さん、とても努力家なんですね!尊敬いたします!」


まだ少し時間はあるはずなのですが、お母様によると、開始1時間前から集中力を高める為、瞑想をしておられたとのこと。


まあ!なんて素晴らしい努力家なんでしょう!ストイックなのですね。素敵です。


「そういえば、貴女は、まだ、あのふたりには会ったことがないわよね。」


「はい、お会いしたことはございません。あのお二人が、エジリオ様とエトーレ様ですか?」


「ええ。名前は、知っているのね。そうよ。」


お母様が、細くて綺麗な指を指し示したのは、まだ見知らぬ殿方ふたり。


レナートさんから、お名前はお聞きしました。あの方々がそうなのですね。


「ええ。銀髪の方が、カータ伯爵家の次男で、アンネリースのお父上、エジリオよ。」


「あの方が………いかにも、騎士団に所属をしています、って感じのお方ですね。」


筋肉隆々の高身長なエジリオ様は、まさに騎士らしい騎士そのものです。


わたくしの中の騎士のイメージにとても合っていますね。


「あの方、非常に、騎士らしい騎士ですね。」


「第五部隊の部隊長さんよ。クォンゼ辺境伯に仕えている騎士さん。国防強化する為、必死に鍛えているのよ。」


「だから、日に焼けていらっしゃるのね。」


クォンゼ辺境伯は、辺境に住む伯爵家の中で、一番よく知られています。


東側にある海全体の警備にちからを入れている地域だからですね。


「もうひとりの金髪の方が、エース伯爵嫡男でレナータ夫人の夫、エトーレよ。」


「こちらは、逆に細すぎるんじゃありません?大丈夫なんでしょうか?」


エトーレ様は、正直、体型がレナートさんより細くて、騎士には見えないです。


騎士団に所属しているから大丈夫なのかもしれませんが、心配になるくらいですよ?


「ふふふ。彼は、騎士団長の参謀として活躍をされているお方なのよ。」


「えっ?では、リュネット伯爵の相棒さん!?噂には聞いてましたけど………」


「ええ、そう。あまり知られてないから、彼を近衛兵の警備員と勘違いする人が多いみたい。面白いでしょう?」


わたくしも、勘違いをしたひとりのようです。


素晴らしく優秀なお方のよう。見た目だけで、人を判断してはいけませんということですね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る