第42話




「あっ!レナートさん!」


「オリヴィエ様!?どうして、こちらへ!?」


まあ!なんて、ステキな騎士様なんでしょう!


見習いさんだから、制服は、シンプルなもので黒に緑の線が入ったものなのですが、素敵ね!


ここは、騎士団の控え室の入り口。ちょうど、レナートさんが入ろうとしたところでした。


「こちらは、騎士団の控え室ですよ?女性は、来られないはずでは?」


「ここは、入り口だから、まだ大丈夫ですよ。レナートさんが、剣舞をされると聞きまして。本当に、おめでとうございます。」


「オリヴィエ様………ありがとうございます。」


剣舞を舞う騎士は、五人選ばれます。見習いで選ばれるなんて、なかなかありません。


レナートさんの、騎士としての実力がどうかは分かりませんが………


いろいろと大変だったのではないでしょうか。


「まだ、お時間は、大丈夫でしょうか?」


「ええ。まだ時間はありますよ。剣舞は、午後からですからね。今は、まだ大丈夫です。」


ほっとしました。剣舞は、午後からだそうで、リハーサルを終えて、休憩時間なんだとか。


レナートさんが今日のスケジュール表を見せて下さいました。






「ああ、そういえば、レナートさんと、後は、どなたが剣舞をされるの?」


「私の父方の再従兄のご子息にあたる方です。と言っても、同い年なんですが………」


「あら、もしかして、それは、ビオーン様?」


ちょうど、ビオーン様やユーディ様のお話を、リーム公爵としましたよ。


まさか、これから、すぐに、ビオーン様と会うかもしれないなんて、びっくりだわ。


「同僚ですね。そういえば、オリヴィエ様は、オールド様、ビオーン様、ユーディ様のお三方と幼馴染なんでしたよね?」


「ええ。ええ。確かに、三人共幼馴染ですね。オールド様とは、あまり会話しませんが………」


「ああ、私も、オールド様とは、あまり…………ビオーン様としか、お話ししませんね。」


「ビオーン様は自由人ですから、わたくしも、お話しやすい方だと思いますよ。」


次男のビオーン様や三男のユーディ様は、お話しやすい方々ですから、大丈夫なんですよ。


でも、長男のオールド様は、リーム公爵と似た価値観をお持ちのようです。


「あとは、カータ伯爵家の次男、エジリオ様。エース伯爵の嫡男、エトーレ様とエトーレ様の奥方にあたるレナータ夫人です。」


「あら!まあ!レナータ様は、女騎士団に所属していらっしゃるのね!」


エース伯爵嫡男夫人のレナータ様は、男勝りでハキハキとされていて、筋肉質な細い体をしてらっしゃいます。女騎士だからなのね。


エジリオ様とエトーレ様は、お会いしたことがないので、分からないですね。

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