第38話
「それじゃ、みんなが集まったところだから、本題に行くとしようか。」
ついに本題に、そう思うと、わたくし達の間にしーんっとした静寂が流れてきました。
聞こえるのは、壁に掛かっている時計の音と、可愛いらしい小鳥のさえずりだけです。
ああ、こんなに静かだと、ドキドキしてる心の音が聞こえてしまいそうです。
「まず、私は、筋肉をつけて、運動量を増やし体力を付けようかと思う。アンジェロ、私は、走り込みしても、良いだろうか………?」
「………兄上、まさか、本題って、それですか?体力作りをするのは構いませんけど。」
ああ、お兄様、やっぱり、お茶目というより、天然なんじゃないかしら?
本題が、もしそれなら、わたくし達は、なぜ、呼ばれたんでしょうか。
「お兄様、本題って、それは、本題らしからぬお話しなのですが………」
「ああ、いかん。緊張してな。すまん。本題の一部ではあるが、これは、本題ではないよ。」
「やっぱり………わたくし達、驚きましたよ。」
お兄様……聞いているわたくし達より、心の音がドキドキしすぎていませんか?
そんなに、重要なお話なら、わたくし達も協力出来るなら、協力しますよ………?
「実は、建国記念日祭で、ラウレア王国の第一王女ユーリシアと婚約を結ぶことになった。」
「まあ!御婚約を!しかも、ユリーシア姫と!お兄様、おめでとうございます!」
ようやく、おふたりが婚約をされるようです!おめでとうございます!
どんな御関係なのか、ずーっと気になっておりましたので、ほっとしました。
ふふふ。ついに、ユーリシアお姉様とあの方をお呼び出来るんですね!
「兄上、ユーリシア姫との御婚約、おめでとうございます。式は、いつになるんでしょうか?決まっていますか?」
「来年1月初めだから、三ヶ月後になるかな。建国記念日から、こちらの国に慣れるために、王宮に住むことになるよ。」
まあ!つまり、ゆっくりお話しがまた出来るということなのですね!
妖精さんのようなユーリシア姫は、お話ししていて、とても癒されるのでございます!
「かしこまりました。ユーリシア姉上とお呼び出来るのを楽しみにしていますね。」
「ありがとう。アンジェロ。よろしく頼む。」
「スター兄さん、結婚するんだね。おめでとうございます。僕は、何かお祝いしようかなあ。ユーリ姉さんって呼んじゃだめかな………?」
「ありがとう。リオル。彼女は末っ子だから、たくさん弟妹が出来て喜ぶんじゃないかな。」
リオルくん!あなた、ユーリシア姫も、ユーリ姉さんとお呼びするつもりなのですね!
やっぱり、将来、ある意味、大物になるんじゃないかしら?
姉さん呼びは、凄い度胸がいるんじゃなくて?
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