第33話




「あと、ミーアちゃんとフィーちゃんは、大変可愛いらしくって!珍しく、懐いて下さって!またお会いしとうございます!」


「ミーアは、確か、レインの末妹のことだね。フィーちゃんは、レインの娘のことかな?」


「ええ、フィリーエちゃんです!レインさんの可愛いらしい娘さんですよ!」


わたくしが嬉々と語る中、お兄様は、いたって冷静に、お話を聞いて下さります。


王太子だからと上から目線になる訳でもなく、柔らかく、ゆったりとしていて、聞き上手な方なので、みんなに人気な王太子殿下です。





「レインとクォーク侯爵令嬢エリーサとの間に出来た子だね。」


「ええ。そうです。エリーサ様に似た顔立ちの子ですが、性格は似ていないようです。」


リラの前でして良い話かは分かりませんけど、お兄様から持ち出した話なので、これは、仕方ないですね。


リラが、ちょっと、また動揺しちゃってます。


本当に珍しいことなんですが、これが恋してるということでしょうか?


「離縁したとは、聞いてるよ。そのエリーサはラスティ侯爵の嫡男と再婚したらしいけど。」


「まあ!いつの間にか再婚されてたのですか?知りませんでした。」


お兄様、わたくしは、今回、一番、その情報に驚きましたよ!


あの物知りなリラも、全く知らない話なようでびっくりしていますもの!


両親や親戚から聞いてもいない、噂でも流れていないということは、ひっそりと再婚されたということなのでしょうか?






「ラスティ侯爵家………聞いたことありません。どなたの家なんでしょう?」


「もちろん、この王国にはないよ。ラウレアの侯爵家なんだから。」


ラウレアの………それなら、聞いたことなくても不思議ではありませんね。


わたくしは、ラウレアの貴族は、公爵家の名前なら、うっすら知っています。


「ラスティ侯爵は、ラウレア国王の王妃の弟にあたる人でね。ラウレア王妃の甥っ子にあたる人と再婚して跡取りの男児が誕生したらしい。今、もう1歳くらいなんじゃないかな?」


「まあ!ユーリシア姫の従兄弟にあたるお方がお相手なんですね?」


王妃様は侯爵令嬢なんですね。珍しいですね。


昔、ラウレアは、相手は姫か公爵令嬢しか認めないと言う国のはずなので。今は違いますが。


しかも、フィーちゃんに、異父弟がいることが発覚しました。


「エリーサ様が再婚なされていること、レインさん達、伯爵家の方々は、知っていますか?」


「ああ。リュネット伯爵には、伝えられたはずだからね。知っていると思うよ。」


「まあ!そうなんですね。分かりました。情報ありがとうございます。」


レインさんとエリーサさんが復縁することは、今のところ、なさそうですね。


ですが、焦らないで下さいませね。リラには、リラの良さがありますからね。

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