第31話
只今、王室の客間に来ています。
わたくし以外は男性ということなので、特別に護衛役の侍女として、リラも呼ばれています。
男性陣の御三方は、誰が婚約者になるか、噂になりやすい人たちですからね。
変な噂になるのを避けるためでございますね。
「やあ、オリヴィエ。いらっしゃい。」
「アナスターシオ王太子殿下、この度は、このお茶会にお招き頂き、ありがとう存じます。」
ああ、ここから先は、もう物語の中にいるかのような気持ちになります。
キラキラした金色の短な髪に宝石の煌めきにも見えてしまいそうな青緑の瞳を持つ青年。
どこからどう見ても、物語に出て来そうな王子様だと言われています。従妹であるわたくしもそう思いますよ。
しかも、この方、本物の王子様で、国王になられるお方なんですよ。
「普段通りで構わないよ。元気してたかい?」
「はい、お兄様。わたくしは、元気ですとも。昔よりも、体力が増え、丈夫になりました。」
「体力が………君は、普段部屋にこもっているか学園に勉強に行ってるかのどちらかだろう?」
「お散歩をしているからかしら。最近、長くて2時間くらい歩いてますよ。」
公爵家の土地は広いので、お散歩しやすいと、今更ながらに気付きましたので、最近お散歩がわたくしの中で、ブームなんです。
小鳥のさえずりが聞こえるので、快適にお散歩出来るのですよ。
短い時は30分くらいですが、今は、長距離のお散歩を楽しんでいます。
「歩いて10分も保たずにバテてていた君が?それは、凄いじゃないか!素晴らしいよ!」
「ふふふ。ありがとう存じます。人は成長することが出来る、と思わせていただきました。」
体力なさすぎていたわたくしでも、習慣を身につけて、お散歩すれば、体力が付くという事を今回見に染みて感じました。
お散歩中に、時々野生の小動物に遭遇します。森が近いからかしら?可愛いです!
「お兄様は、最近お忙しそうですけれど、今のところ、何にハマっているのですか?」
「最近は、色々忙しくてな。時間がある時は、読書をしているよ。」
最近、お兄様は、王太子として、改めて勉強をしているんだとか。
昔習ったことの復習も兼ねて。初心に戻って、王国について、国や国民をどう守っていくかを考える日も増えたんだそうですね。
「そういえば、君の趣味は読書だよね?何か、オリヴィエのおすすめの書籍は、あるかい?」
「まあ!おすすめですか?そうですね。歴史に偏っていますが、最近、感動致しましたのは、ミーテゥ大統領の偉人伝ですね。」
「ミーテゥ氏の!ユーリシアから聞いたことがあるよ!自由を与えてくださった英雄だと。」
「はい、とっても感動致しますので、ぜひ!」
「ああ。ありがとう。読んでみるよ。」
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