第30話
「ラウレール様!どうされました?」
「あら、ルウ!お久しぶりでございますね!」
今日、リラとお話をしていたリラの弟、ルウがやって来ました。
リラとは、似ていない顔立ちですが、色合いは似ています。瞳は、リラより薄い緑色です。
ルウは、お父様の補佐役をしています。秘書のような立場です。なので、執事のような秘書のような出で立ちの服装をしています。
「ああ、これは失礼しました。ラウレール様とお嬢様の大事な会話の時に………」
「ふふふ。良いのよ。まだお話はするけれど、お父様は、今から、休憩時間なのかしら?」
「はい、ラウレール様は、ご夕食の時間まで、お時間があります。」
「ありがとう存じます。お父様にはコーヒー、わたくしには紅茶をお願いします。」
「かしこまりました。ごゆっくり、どうぞ。」
やっぱり、性格は、リラと違いますね。リラは生真面目なキリッとした性格をしていますが、ルウは、ゆったりとしたクールな性格です。
慌てずに、スーッとこなしてしまうのですよ。
不思議な方なんですが、マリーの前だと、顔が緩みすぎていて、別人になります。
「ところで、お父様!お母様から聞きました!わたくしに、何か、ご用事なのでしょうか?」
「ああ。待たせたね。ちょっと待ってなさい。今から持ってくるから。」
持ってくる?何をですか?お父様は、執務室の隣にある個室に何かを取りに行きました。
ああ、父の姿を見れば、わたくしは、お父様に似て、薄茶色の髪に茶色の目をしていることが分かりますね。
お母様のような綺麗な黒い髪に紫の目にはなりませんでしたから、母方の親族には惜しまれたものでございます。
わたくしは、このお父様に似た容姿、好きなのですよ。平凡に見えますから目立ちませんし。
「ほら、これ、王太子殿下から、オリヴィエにお手紙が来ているよ。」
「まあ!お兄様から!ありがとう存じます!」
淡い薄青紫のシンプルな封筒に、王太子特有のサインが描かれたものです。
まさに、これは、お兄様からのお手紙ですね!さっそく、お手紙を開けてみましょう!
「お父様、お兄様からのお茶会の招待状です!アンジェロくんやミオルくんも、途中参加するそうです!久しぶりに、皆様に会えますね!」
「おお、久しぶりに、いとこ会をやるのかい?楽しんでらっしゃい。」
「はい!なかなか、最近集まれなかったので、楽しんで参りますね!」
王太子であるお兄様、アンジェロくん、ミオルくん、そして、わたくしの4人の集まりです。
いとこ会と呼んでいまして、小規模なお茶会になります。
王子2人とミオルくんは、従兄弟同士ではありませんが、わたくしのいとこだから、仲間入りすることになりました。
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