第27話
リラの様子が、いつもと違うわ。顔が赤いだけじゃなくて、ずーっと緊張しているんだもの。
この光景、リラではなくて、別の人物だけど、見たことがあるような気がします。
「慣れないからだと思っていたけれど、リラ、もしかして、一目惚れして戸惑っているの?」
「オリヴィエ様……どうしてお気付きに……?」
驚いた表情でわたくしを見るリラは珍しくて、こちらも驚いて良いかしら?
この素のままのリラもいいわね。なかなか新鮮すぎて、本当に、どうしたら良いのかしら?
「うーん…………そうね。リラに分かりやすく、簡単に言うなら、マリーに恋して、どうしようってなっていたルウにそっくりですよ。」
「ルウに!?私たちは、そっくりでしょうか?あまり似ていない姉弟と言われてますが………」
リラより3つ年下の弟ルウは、次期子爵として勉強しています。
リラとは、見た目も、性格も、似ていないかもしれませんが………
「ええ。わたくしも、リラとルウは、似てないと思っていたのだけれど。マリーに恋した時、なぜか、わたくしに相談をしてきたの。」
「えっ?そんなことが!!マリーさんとルウが付き合った時って、まだオリヴィエ様は………」
「その時のわたくしは、まだ、17歳ですよ。ちなみに、ルウは、24歳ですね。」
わたくしは、恋愛に詳しくありませんからね、何と言っていいかは分かりませんよ?
わたくしがリラの変化に気付いたのは、幼い頃から知っていて、いつもと違ったからですね。
そして、ルウが、男爵令嬢マリーさんに初恋をした時の姿に似ています。
今、おふたりは仲睦まじい夫婦となっていますから良いのですが。悩みすぎて、ルウが相談をわたくしにしてきたのは驚きましたよ。
「リラは、レインさんに、オススメして、紹介したいくらい立派な女性だと思っていますよ。身内だからかもしれませんが。」
「オリヴィエ様………ありがとうございます。」
「でも、かなりの覚悟が要りますね。エリーサ様との娘さん、フィーちゃんがいますから。」
「はい、フィリーエ様と、まだお話したことがなくって、どうしたら良いのでしょう?」
「わたくしに聞くより、マリーに聞いてみてはいかがでしょう?マリーさんは、確か、義母に育てられたのでしょう………?」
「そうでございますね。いったん、マリーに、ご相談してみます。いきなり、すみません。」
マリーは、男爵家の長女です。幼い頃、父親が再婚をしたため、異母妹がいます。
いきなり義母が出来た経験者なら、何か分かるのではないかしら。しかも、マリーと義母は、たいへん仲良しなんですよ。
「リラックスして、考えてみてくださいませ。マリーに会える日は有給にしましょうか?」
「はい、ありがとうございます。ゆっくり考えさせていただきます。」
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