第25話




「リラ、お待たせしました。」


「あ、オリヴィエ様!お帰りなさいませ。」


リラの緊張も、だいぶ抜けているようですね。イリーゼ様、レインさんは、リラにとってお話しやすい方々だったようです。


リラは、慣れて来ると、要領良く人付き合いが出来ますよね。素晴らしく思いますよ。


「お二人と、じっくりお話し出来ましたか?」


「はい。お二人とも、とてもお優しくて。大変勉強になりましたよ!イリーゼ様、レイン様、本当に、ありがとうございます。」


「いえいえ、やはり、公爵家の侍女の教養は、高いですね。こちらも、勉強になりました。」


「ふふふ。リラさんとゆっくりとお話し出来て嬉しいですよ。ありがとうございます。」


リラは、礼儀正しくぺこりとお辞儀をすると、お二人は優しげに微笑んで下さいました。


それにしても、てっきり、世間話をされていると思ったのですが、勉強とは、いったい………?


「お勉強……?イリーゼ様、レインさん、勉強をしていらしたのですか?」


「ふふ。リラさんのお姉様が、ドレスを作ってらっしゃると聞いて、社交界のドレスの流行について話していました。レラさん流のドレスは今一番人気のドレスでございます。」


「ああ、イリーゼ様は、社交界にデビューしてらっしゃるから、とても詳しそうですね。」


レラさんの会社(商会)が作るドレスは、可愛いらしくて、清楚系です。


わたくしも、よく愛用していますので、社交界などで人気なのは、嬉しいことですね。


「オリヴィエ様、私も、一緒に行きますから、ぜひ、夜会にいらして下さい。」


「昼間のパーティーなら出るのだけど、夜会はまだ行ったことがないので、教えて下さる?」


「はい、もちろんでございます。リラさんも、ぜひ、連れて来て下さいませ。」


やっぱり、お姉様とお呼びしたいくらい、大人びていらっしゃいますね。


「レインさんとは、何をお話してましたの?」


「経営に関する事やリラさんのお仕事に関して話をしていました。公爵家の侍女になるには、高度な勉学と護身術が必要なんですね。」


「ええ、歴史や政治経済など、リラは、かなり詳しいですよ。わたくしは、歴史なら得意なのですが、政治経済は難しく思います。」


リラは、学園大学で、政治経済、歴史、文学、宗教学、哲学、神話学、心理学、教育学などの様々な分野を学んだそうです。


成績は、普通の平均くらいだったようですが、わたくしは、素晴らしいと思います。


「凄いです。リラさん、素晴らしいですね。」


「………えっ?は、はい、レイン様、ありがとうございます………!」


あら、少し赤く………リラ、照れてらっしゃる?


表情をあまり変えないリラが珍しいことに褒め言葉に照れていますね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る