第23話




「オリヴィエ様ー!」


「おりぅぃーおねえさまー!」


「まあ!ミーアちゃん!フィーちゃん!」


わたくしを見て、一目散に駆け寄ってくださるなんて、なんて可愛いのでしょう!


しかもです、さっきとは、違って、オリヴィエお姉様と言おうとしませんでした?


「フィーちゃんは、ちょっとだけ、オリヴィエお姉様に近くなりましたね!素晴らしいわ!」


「えへへー!おりぅぃーおねえしゃまー!」


可愛い!フィーちゃんお利口さんで、純粋で、お姉様は、とても癒されますよ。


しかも、舌足らずな声が本当に可愛いらしくて小さな妖精さんでしょうか?


「あの、オリヴィエ様、わたしも、お姉様って呼んでも良いですか!?」


「ええ。ええ。もちろん、大歓迎ですよ。」


「ありがとうございますっ!お姉様っ!」


こちらは、可愛いらしい天使さんでしょうか。


妹がふたりも一気に増えたみたいで、お姉様は嬉しく思いますよ?


イリーゼ様は、妹というより、年下だけれど、あちらのほうが大人びているから姉のようね。




「ふふふ。二人は、すっかり、オリヴィエ様に懐きましたね。」


「まだ少ししかお話し出来ていませんけれど…懐いてくださったのでしょうか?」


伯爵夫人が、優しい表情で見守って下さって。


こちらのご夫人は、わたくしのお母様や王妃の叔母様とは、また違った包容力がありますね。


「ええ。このふたりは、なかなか、家族や親戚以外に懐かないの。」


「まあ!それは、意外ですね!こんなに、早く懐いてくださるなんて!ありがとう存じます。ミーアちゃん。フィーちゃん。」


「こちらこそ!ありがとうございますっ!」


「ありがとーございます………!」


「ふふふ。可愛いわ!」





「本当に、珍しいことです。ね?あなた。」


「ええ、本当に珍しいですよ。オリヴィエ様。これからも、よろしくお願いします。」


「ええ。こちらこそ、よろしくお願いします。リュネット伯爵。リリーゼ夫人。」


伯爵も、ご夫人も、本当に驚かれているよう。


わたくしも、あまり、ミーアちゃん達の世代と話すことがありませんから、わたくしの中でも不思議な思いで、いっぱいでございます。


ああ、リーム公爵の孫息子殿に、そういえば、フィーちゃんと同い年の男の子がいましたね。


あの子となら、お話したことがありますね。





「私のことは、レオーンと呼んでください。」


「そうでございます!私のことも、リリーゼで構いませんよ。親戚だと思って下さいませ。」


「えっ?よ、宜しいのでしょうか?では、伯爵夫妻のことは、レオーンさん、リリーゼさんとお呼びいたします。ありがとうございます。」

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