第21話
ラウレア王国も、我が国も、なかなか、王女がお生まれになりません。
ユーリシア姫が、我が国の王太子に嫁入りすることで、同盟を強化しようとする勢力と………
純粋になかなか生まれない姫を可愛いがられて我が国の王太子に嫁に出すのを惜しいと思っている方々がいるとお父様から聞いております。
「美姫という噂は、本当でございます。隣国の王妃様に似てお美しい上に、心根も優しくて。わたくしの理想のお姫様でございます。」
「ユーリシア姫は憧れのお姫様なんですね。」
「ええ!エレノア様も、ユーリシア姫に憧れていらっしゃるそうですよ。」
わたくしは、お淑やかで優しく柔らかな天使のようなユーリシア姫に憧れております。
ですから、王太子と、もし本当に仲が良くて、婚約されるのでしたら、義理の従姉になりますから、お姉様とお呼びしてみたいものです。
「アナスターシオ王太子にも、憧れています!あのお方は、非常に聡明ですから、この王国の未来も、安泰でございますね!」
王太子とユーリシア姫の、美男美女のお二人が並ぶ姿を、皆様にお見せしたいくらいですよ!
王太子殿下は、国王陛下に似ておられて、聡明かつ、冷静沈着な好青年でございます。
わたくしは、アナスターシオ王太子を普段からお兄様と呼んで慕っております。
「王太子殿下もなんですね。オリヴィエ様は、王太子殿下と御婚約なさるのでしょうか?」
「いえいえ、わたくしは、王太子殿下をお兄様としか思っておりません。両親も、国王陛下も知っていることですから婚約致しませんよ。」
「そうなんですか?噂では、リージー公爵家の御令嬢が、王太子殿下と………」
そういえば、リュネット伯爵も、噂がどうのと言ってましたね。
確かに、国王陛下と叔母様も、従兄妹同士で、王太子とわたくしも、従兄妹同士。
ええ、勘違いされがちな組み合わせですから、仕方がありませんが………
「あまり知られていませんが、国王陛下と叔母様は、従兄妹同士で、恋愛結婚なんですよ。」
「えっ?そうなんですか!?てっきり、貴族によくある政略的な結婚かと………」
「ええ。わたくしも最初はそう思ってました。叔母様は、なかなか生まれない女性の王族ですから、隣国の今の国王陛下の歳の離れた婚約者候補でした。ただ、隣国の国王陛下は、叔母様より12歳も年上。なので、婚約話は見送りになりました。」
見送りになった後、本当は、当時王太子である国王陛下と叔母様は、結婚することを決めて、婚約を発表されました。
ただ、いまだに、政略結婚と思われています。
あんなに仲睦まじいご夫婦ですのに、不思議なものですね。王太子と第二王子も、不思議だとおっしゃっていましたよ。
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