第17話


シンリ………苗字を言わないということは、この方は、貴族令嬢ではない侍女さんなんですね?


まさか、こんなに早く、貴族ではない侍女さんと関わることになるなんて!驚きました。


「私の父は、この屋敷にある庭で、庭師をしています。母は、伯爵家の侍女長です。なので、ここで生まれ育った私がご案内いたします。」


「ええ、シンリ、よろしくお願いしますね。」


ニワシって何のことなのかしら?侍女のような職業なのかしら?


庭と関連した言葉のように聞こえましたから、お庭と関係しているのかもしれません。






屋敷の裏手にある、お庭に着きました。


本当に、本当に、素晴らしく綺麗なお庭………!


可愛いらしい色とりどりの薔薇が咲き誇って、みんな、立派に元気です。


「まあ!なんて可愛いらしいのでしょうか!」


「庭師………お庭を管理している私の父が綺麗に植えた薔薇たちです。」


「赤、ピンク、白、黄、薄紫、青、橙、様々な薔薇が咲き誇っていたはずだよ。」


この薔薇園は、シンリのお父上が管理されて……


なるほど。ニワシは、庭を管理してらっしゃる人達のことね!


それと、こんなにたくさんあって、色まで記憶しているレナートさん、素晴らしい!


「とても素敵な父上ね!これは、もう芸術家と言っても、良いくらいよ!」


「あ、ありがとうございます!父に伝えさせていただきます!ありがとうございます!」


我が家の庭は、シンプルかつ、非常に質素で、華やかというわけではないの。


上手く管理が出来ないからって、放置気味よ。ニワシさんって、素敵ね!


わたくしも、こんな可愛いらしくて、素敵な、まるで、天国に来たみたいな明るいお庭作りをしてみたいわ。


「ふふふ。可愛いらしい天使の赤ちゃんの像があるから、とても華やかね。あっ!あっちに、よく見ると、妖精さんの小さな像があるわ。」


「あ!父様いわく、綺麗な天使や可愛い妖精がいそうな素敵なお庭にしたそうです。」


「まあ!ニワシさんのお父上、素敵な発想ね!また機会があれば、お会いしてみたいわ。」


明るく燦々と輝いているように見えて、本当に不思議な空間よ。


素晴らしい想像力と才能溢れた創造力を合わせ花開いた芸術作品に見えますね。


「あ!お会いになりますか?父なら、いつも、昼間は、お庭にある休憩所か、庭にいますよ!レナート様、宜しいでしょうか?」


「ああ。もちろん良いよ。オリヴィエ様なら、気になりそうな気がしていたから。」


「まあ!お会い出来るの?もし宜しければ!」

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