第15話


「レナートさんは、どんなお仕事を?」


「私は、第一部隊の警備班に所属しています。2年目なので、まだ新人見習いの身です。」


「つまり、王室警備をされているのかしら?」


「ええ。私は、見習いなので、門番ではなく、王室の庭の警備をしています。」


わたくしは、王室に叔母様や従兄弟がいるからよく出入りするけれど、レナートさんとお会いしたことがありませんね。


それでも、その若さ、だいたい22歳くらいで第一部隊って凄いことです。


「まあ!お庭で!青薔薇の咲くエリアかしら?それとも、赤薔薇がたくさん咲くエリア?」


「私たち警備班は、青薔薇エリアです。赤薔薇エリアは女騎士団の警備班が担当してます。」


「青薔薇が好きで、よく行きますから、お会い出来るかもしれませんね。」


青薔薇エリアは右側で、赤薔薇エリアは左側。


エリアごとに、担当している騎士が違うのね。それは、初めて知りました。


他にも、王族しか入れない白百合エリアや宴で使う桜・梅エリアなどがあります。








「ふふふ。お兄様達、優秀な騎士さんなのね?頼もしいお兄様方ですね。イリーゼ様。」


「はい、とても!妹として誇りに思います!」


イリーゼ様は、ふんわりと笑って、優しげで、誇らしげな表情をしています。


騎士団の団長補佐と、特殊部隊の隊長さんと、見習いの中でも優秀な騎士さんが身近にいたら


それは、確かに、家族として、娘や妹として、誇らしくなるでしょう。




「そういえば、イリーゼ様は、女騎士団に入らないのですか………?」


「私は入りません。母に似たのか、正直に言いまして、運動は、得意ではないのです。」


たしかに、よく見れば、体格的に運動やってるように見えませんね。リラは、護衛術を習っているから、腕や足等が筋肉質ですもの。


わたくしも、母に似て、運動は、ちょっと………


父は、文武両道型なのです。素晴らしいと尊敬しております。


「将来は、子どもが好きなので、学園初等部の教師を目指しています。」


「まあ!そうなのですね!応援しています。」


「はい、ありがとう存じます!頑張ります!」


子ども好きなら、向いていますね。優しくて、ミーアちゃんが目標にするくらいのお姉さん。


はっきりとした正義感を持つ父兄に育てられ、子どもが大好きで、教師を目指す。


イリーゼ様、とても良い先生になりそうです。


「今は、孤児院の子ども達、7歳から10歳を対象に勉強を教えて、練習しています。」


「まあ!素晴らしい!年下と思えないくらい、しっかりしていて、本当に、素晴らしいわ!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る