第13話



「イリーゼ様は、リオルくんとお知り合い?」


「はい。アンジェロ王子も、リオル様も、同じ学校のクラスメイトですから。」


リオルは、フィーネ伯爵シパル叔父様の嫡男。

わたくしの母方の従弟です。


父方の従弟のアンジェロ王子とは親友なので、イリーゼ様ともご学友のようです。


「リオルくん、最近忙しいみたいで、なかなか会えてないのよね。元気にしているかしら?」


「はい、元気でございますよ。最近、フィーネ伯爵に似て来ておりまして、薬剤師のお勉強をしていることが多いのです。」


「まあ!薬剤師!リオルくん、薬剤師見習いになりたいのかしら?」


「いえ。父のフィーネ伯爵から教わった薬剤師知識を活かして、何か出来ないか考えてみたいとおっしゃっていました。」


「まあ!素晴らしいわ!フィーネ伯爵を超えて立派な青年になりそうな予感がしますね。」


シパル叔父様とリオルくんは、見た目瓜二つで似ていますが、かなり性格面が違います。


クールなところは似てますが、リオルくんは、母親のレラさんに性格が似たようですね。






「あら、伯爵ご夫妻は、どちらに………?」


「両親なら、あちらで、ミーアとフィリーエの相手をしています。」


いつのまにか、周りには、リラとレインさん、レナートさん、イリーゼ様しかおりません。


まあ!お兄様達との話が長くなってきたから、ミーアちゃん、フィーちゃんは、待ち切れずに遊び始めちゃったのですね。


伯爵のお膝にミーアちゃん。伯爵夫人のお膝にフィーちゃんが座って、はしゃいでおります。


「オリヴィエ様、すみません。本当でしたら、両親が、オリヴィエ様の接待を………」


「いえいえ。わたくしは、自然なまま、ありのままの伯爵家を見たいので大丈夫ですよ?」


「オリヴィエ様………ありがとうございます。」


伯爵は、毎日、騎士団の仕事場にいて、忙しいようですからね。子どもや孫娘は、久しぶりに遊んでもらえる!と大喜びなんだと思います。


それに、これから先、長い付き合いになりそうなのですから、なるべく、リラックスをして、それから、お話ししてみたいです。


「むしろ、家族ぐるみでの予定が、わたくしの両親が来れなくて、本当に、すみません。」


「えっ?大丈夫ですよ!公爵も、公爵夫人も、いつもお忙しい方々ですから!」


「ありがとう存じます。また後日、両親と共に来ますね。よろしくお願いします。」


「はい、ぜひ!大歓迎でございます!」

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